TDP-43

TDP-43

ALS・前頭側頭葉変性症(FTLD)などで異常蓄積するRNA結合蛋白。

ひとことで

TDP-43(TAR DNA-binding protein 43)は、通常は細胞核でRNAの転写・スプライシングなどを調整する蛋白。病的状態では核から細胞質へ移行し、リン酸化・断片化・ユビキチン化されたTDP-43が神経細胞やグリア細胞内に蓄積する。

病態との関係

  • 核内機能の低下:RNA代謝や遺伝子発現の調整が障害される
  • 細胞質への異常蓄積:神経細胞・グリア細胞内にTDP-43病理を形成する
  • ALSとFTLDの共通病理:ALS(筋萎縮性側索硬化症)とFTLD(前頭側頭葉変性症)で重要な病理蛋白
  • 一部の家族性ALS・FTLDでは、C9orf72、GRN、TARDBPなどの遺伝子異常が関連する

主な関連疾患

  • ALS(筋萎縮性側索硬化症)
  • 前頭側頭葉変性症(FTLD-TDP)
  • ALSとFTLDの重複病態

症状とのつながり

  • ALS:筋力低下、筋萎縮、筋 fasciculation、嚥下・構音・呼吸障害
  • FTLD:人格変化、脱抑制、無気力、常同行動、失語、遂行機能低下
  • 重複病態:運動症状と認知・行動・言語症状が併存することがある

診断・治療との関係

  • 生前にTDP-43病理を直接確定することは難しく、臨床症状・神経診察・MRI・遺伝学的検査などを組み合わせて評価する
  • 現時点で、TDP-43を直接除去する標準的な疾患修飾療法は確立していない
  • 治療は、運動・嚥下・呼吸管理、コミュニケーション支援、行動症状への対応、介護者支援を組み合わせる

看護・生活の視点

  • 筋力、歩行、嚥下、構音、呼吸状態、体重・栄養状態を観察する
  • むせ、湿性嗄声、食事時間の延長、唾液誤嚥、呼吸苦などを確認する
  • FTLDでは病識低下や脱抑制がみられることがあるため、安全確保と家族支援を重視する
  • 進行に伴い、意思決定支援、栄養・嚥下管理、呼吸補助、ACPを検討する

関連キーワード

ALS/前頭側頭葉変性症(FTLD)/TDP-43病理/C9orf72/TARDBP/GRN/RNA結合蛋白