タウ
ひとことで
タウ蛋白は、神経細胞の軸索などに多く存在し、微小管を安定化して神経細胞の形態や輸送機能を支える蛋白です。異常なリン酸化や構造変化が起こると、タウ同士が凝集し、不溶性の線維や神経原線維変化を形成します。
病態との関係
- 正常なタウ:微小管に結合し、神経細胞内の構造と物質輸送を支える
- 異常タウ:過剰リン酸化や折りたたみ異常により微小管から離れる
- 異常タウの凝集・蓄積:神経細胞の機能障害、シナプス障害、細胞死につながる
- タウの蓄積部位や形態、3R・4Rアイソフォームの割合は疾患により異なる
アルツハイマー病との関係
- アルツハイマー病では、過剰リン酸化タウが神経原線維変化として蓄積する
- アミロイドβの蓄積とタウ病理は、アルツハイマー病の主要な病理変化
- タウ病理の広がりは、認知機能障害や病期と関連すると考えられている
- タウPETや髄液検査などが、病態評価や研究に用いられる
タウアイソフォーム
タウには微小管結合部位の違いにより、3リピート型(3Rタウ)と4リピート型(4Rタウ)があります。疾患ごとに蓄積するタウの種類が異なり、病理学的な分類に役立ちます。
- 3Rタウ:ピック病などで優位に蓄積
- 4Rタウ:進行性核上性麻痺(PSP)、大脳皮質基底核変性症(CBD)などで優位に蓄積
- 3R/4Rタウ:アルツハイマー病などで蓄積
看護・生活の視点
- タウ病理に関連する疾患では、認知機能だけでなく歩行、転倒、眼球運動、嚥下、発語の変化を観察する
- 病型により、人格変化、脱抑制、無気力、パーキンソニズム、姿勢保持障害などが前面に出ることがある
- 症状の進行に応じて、転倒予防、誤嚥予防、コミュニケーション支援、介護者支援を行う
- タウを標的とした疾患修飾療法は研究・治験段階のものが多く、治療方針は疾患と症状に応じて検討する
関連キーワード
- タウオパチー
- アルツハイマー型認知症
- アミロイドβ
- 神経原線維変化
- 神経原線維変化型老年期認知症
- 3Rタウ・4Rタウ
- 進行性核上性麻痺(PSP)
- 大脳皮質基底核変性症(CBD)