「使用上の注意」の改訂について 、令和8年9月29日
厚生労働省医薬局医薬安全対策課長:「「使用上の注意」の改訂について」、医薬安発 0929 第1号、令和8年9月29日.https://www.mhlw.go.jp/content/001753889.pdf
変更内容の概要
厚生労働省「『使用上の注意』の改訂について」(令和8年9月29日付、医薬安発0929第1号)は、9別紙・17製品(成分・製剤)を対象とした安全性情報の追記・変更です。主な改訂内容は以下のとおりです。[1]
変更内容
| 対象医薬品 | 改訂内容 | 実務上のポイント |
|---|---|---|
| アザチオプリン | 重大な副作用に「可逆性後白質脳症症候群(PRES)」および「肝類洞閉塞症候群(SOS)/肝中心静脈閉塞症(VOD)」を追加 | 頭痛、意識障害、痙攣、視力障害、高血圧などではMRI等を考慮。ビリルビン増加、腹水、急激な体重増加、肝腫大などにも注意し、疑われれば投与中止 |
| アプレミラスト | 重要な基本的注意および重大な副作用に「肝機能障害」を追加 | 投与開始前と投与中に定期的な肝機能検査を実施 |
| アテゾリズマブ、アベルマブ、セミプリマブ、チスレリズマブ、デュルバルマブ、トレメリムマブ、レチファンリマブ | 重大な副作用に「重度の胃炎、食道炎」を追加 | 免疫関連有害事象として、異常時は副腎皮質ホルモン剤などの適切な処置 |
| アレクチニブ | 重要な基本的注意に「重度の高トリグリセリド血症」を追加 | 急性膵炎に至った症例があるため、開始前・投与中に血清トリグリセリド値などを確認 |
| イピリムマブ | 「重度の食道炎」から「重度の胃炎、食道炎」へ拡大 | 胃炎・食道炎の症状を免疫関連有害事象として観察 |
| オシメルチニブ | 血液障害に「再生不良性貧血」を追加 | 投与開始前・投与中に血球数、白血球分画などを定期的に確認 |
| セルペルカチニブ | 重大な副作用に「皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)」を追加 | 発熱、発疹、粘膜障害などがみられた場合は重症薬疹を疑う |
| ペムブロリズマブ | 「重度の胃炎」に「食道炎」を追加 | 免疫関連の胃炎・食道炎として、副腎皮質ホルモン剤等による処置を考慮 |
| トシリズマブ、トシリズマブ後続1、トシリズマブ後続2 | 重大な副作用に「薬剤性過敏症症候群(DIHS)」を追加 | 発疹・発熱に加え、肝機能障害、リンパ節腫脹、好酸球増多などに注意。投与中止後も症状が再燃・遷延することがある |
全体の要点
- 免疫チェックポイント阻害薬等では、胃炎・食道炎が免疫関連有害事象として整理・追加された。
- 抗悪性腫瘍薬では、急性膵炎につながる高トリグリセリド血症、再生不良性貧血、重症薬疹が追記された。
- アザチオプリンでは、神経系および肝血管系の重篤な副作用が新設された。
- アプレミラストでは、投与前からの肝機能モニタリングが明記された。
- トシリズマブでは、投与中止後も続く可能性のある薬剤性過敏症症候群に注意が必要。
- 製造販売業者には、添付文書の速やかな改訂と医療関係者への情報提供が求められている。[1]