S-RIM

S-RIM

セロトニン再取り込み阻害・セロトニン受容体調節薬
💊

① 薬効群の概要

S-RIM(Serotonin Reuptake Inhibitor and Modulator)は、セロトニン再取り込み阻害作用に加えて、複数のセロトニン受容体を調節する抗うつ薬。セロトニン神経伝達を多面的に調節するため、マルチモーダル抗うつ薬とも呼ばれる。
※S-RIMはSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)とは異なる分類。
💊

② 代表薬

一般名先発医薬品名主な適応
ボルチオキセチントリンテリックス®うつ病・うつ状態
⚙️

③ 作用機序・薬理作用

  • 作用部位:セロトニントランスポーター(SERT)および複数の5-HT受容体
  • SERT阻害:セロトニンの再取り込みを阻害し、セロトニン神経伝達を高める。
  • 受容体調節:5-HT₃・5-HT₇・5-HT₁D受容体を拮抗、5-HT₁B受容体を部分作動、5-HT₁A受容体を作動させる。
  • 特徴:単一の再取り込み阻害だけでなく、複数の受容体を介してセロトニン神経伝達を調節する。
  • ノルアドレナリン再取り込み阻害薬ではないため、SNRIとは区別する。
🩺

④ 適応・臨床効果

  • 適応:うつ病・うつ状態
  • 抑うつ気分、不安、意欲低下などの改善に用いる。
  • 効果発現には時間がかかる場合があるため、効果と副作用を経過で確認する。
⚠️

⑤ 主な副作用

  • 消化器症状:悪心、嘔吐、便秘、口渇
  • 中枢神経症状:めまい、眠気、頭痛
  • 性機能障害:性欲低下、射精障害など
  • 重大な副作用:セロトニン症候群、けいれん、低ナトリウム血症、躁転など
🚨

⑥ 禁忌・重要な注意

  • MAO阻害薬との併用・近接使用は避ける(セロトニン症候群のリスク)。
  • 投与初期・増量時は、自殺念慮・自傷リスクに注意する。
  • 不安・焦燥・興奮・易刺激性などのアクティベーションシンドロームや躁転を観察する。
  • 他のセロトニン作動薬、抗うつ薬、トリプタン系薬剤などとの併用では、セロトニン症候群に注意する。
  • 急な中止でめまい、悪心、発汗、不眠、不安などの離脱症状が出ることがある。
👀

⑦ 看護・観察ポイント

  • 自殺リスク:投与開始後・増量後の希死念慮、不安・焦燥・興奮・易刺激性を観察し、変化があれば速やかに報告する。
  • 消化器症状:悪心、嘔吐、食欲、便通を確認する。
  • 精神・睡眠状態:眠気、不眠、過活動、躁転を観察する。
  • セロトニン症候群:発熱、発汗、振戦、筋緊張、反射亢進、下痢、意識変容などを観察する。
  • 服薬状況と自己中断の有無を確認し、急な中止を防ぐ。
📋

⑧ 服薬指導

  • 効果発現まで時間がかかる場合があるため、自己判断で増量・追加服用しない。
  • 急に中止せず、減量・中止は医師の指示に従う。
  • 強い不安・焦燥、自殺念慮、発熱、発汗、手の震え、筋肉のこわばり、意識の変化があれば直ちに相談する。
  • 眠気やめまいがある間は、自動車の運転や危険な作業を避ける。