非定型抗精神病薬
非定型抗精神病薬は、D2遮断に加えて5-HT2A遮断など多受容体系作用をもち、一般にEPSは定型より少なめですが、薬剤によって鎮静や代謝異常(体重増加・高血糖・脂質異常)、起立性低血圧などのリスクが変わります。
「精神症状が落ち着いたか」だけでなく、眠気・体重・血糖など“生活と全身状態”に直結する変化をセットで追いかけます。
臨床では、同じ「非定型」でも副作用がかなり違うため、鎮静と代謝、EPS、循環(起立性低血圧・QT)の“どこが強いか”で整理すると安全管理に結びつきやすいです。
1) 代謝異常が目立ちやすいタイプ
- 代表薬:オランザピン など
- 特徴:体重増加、食欲増加、高血糖、脂質異常に注意
2) 鎮静が目立ちやすいタイプ
- 代表薬:クエチアピン など
- 特徴:眠気、ふらつき、過鎮静(転倒)に注意
3) EPSが出ることもあるタイプ
- 代表薬:リスペリドン など
- 特徴:用量や個人差でEPSが出ることがある(定型ほどではないが“ゼロではない”)
4) 賦活(眠気が少ない/落ち着かなさが出ることも)
- 代表薬:アリピプラゾール など
- 特徴:眠気は少ないことがある一方、アカシジア様の落ち着かなさが出る場合も
- 最重要リスク:悪性症候群(NMS)/重度の鎮静(誤嚥・転倒)
- 次に重要:代謝異常(体重増加、高血糖、脂質異常)、QT延長、起立性低血圧
- 高齢者での注意:過鎮静、せん妄悪化、嚥下低下→誤嚥、便秘、転倒
- 腎機能/肝機能:薬剤差が大きい(用量調整や相互作用に注意)
- 相互作用(併用注意):
- 他の中枢神経抑制薬(眠気・転倒)
- QT延長リスク薬
- 代謝に影響する薬(ステロイド等)や生活習慣の変化(食欲・活動性低下)
- 開始時/増量時:眠気、ふらつき、起立性低血圧、EPSをチェック
- 長期使用時:体重、血糖、脂質(定期的に“静かに進む変化”を拾う)
- 高齢者:少量でも過鎮静・転倒が出やすい
- 添付文書(各薬剤)
- 精神科領域のガイドライン(統合失調症治療ガイドライン等)