シクロホスファミドと出血性膀胱炎
症例
45歳男性。
悪性リンパ腫の治療のため
シクロホスファミド(アルキル化薬)を含む化学療法を受けた。
数日後、血尿・排尿時痛・頻尿が出現した。
この原因として最も考えられるものはどれか。
シクロホスファミドの代謝産物(アクロレイン)による出血性膀胱炎
シクロホスファミドは体内で代謝され、アクロレインという毒性代謝産物が生成される。
アクロレインは腎臓から排泄され、膀胱粘膜を直接障害する。
そのため
シクロホスファミド投与
↓
肝臓で代謝されアクロレインが生成
↓
アクロレインが尿中に排泄
↓
膀胱粘膜を直接障害
↓
出血性膀胱炎
→ 血尿・排尿時痛・頻尿
※ 予防のためメスナ(MESNA)を併用する(アクロレインを無毒化)。
※ 十分な水分摂取と頻回の排尿を指導する。
尿路感染症
尿路感染症でも血尿・排尿時痛は起こるが、シクロホスファミド投与後というタイミングから、出血性膀胱炎が最も考えられる。
血小板減少による出血
化学療法後の血小板減少で出血傾向は起こるが、排尿時痛・頻尿を伴う血尿は出血性膀胱炎に特徴的であり、シクロホスファミドの代謝産物による膀胱障害が最も考えられる。
腎結石
腎結石でも血尿は起こるが、化学療法後のタイミングとシクロホスファミドの特徴的な副作用から、出血性膀胱炎が最も考えられる。
出血性膀胱炎の予防と看護のポイントは?
- メスナ(MESNA)の併用…アクロレインを膀胱内で無毒化する
- 十分な水分摂取(2〜3L/日)
- 頻回の排尿を促す(膀胱内にアクロレインが長時間滞留しないように)
- 尿の色の観察(血尿の有無を確認)
- 症状が出現したら速やかに報告