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Mito A, J Am Heart Assoc (2019) [PMID: 31345083]

#妊娠初期に使用した Ca 拮抗薬は、児に影響するのか?
P:妊娠初期に慢性高血圧の治療のために治療薬を使用した妊婦(231例)の児
E:アムロジピンを使用した妊婦の児(48例)グループA
  他の降圧薬を使用した妊婦の児(54例)グループO
C:降圧薬を使用しなかった妊婦の児(129例)グループN
O:形態学的異常
グループA:2例(4.2%)
グループO:3例(5.6%)
グループN:6例(4.7%)
 
降圧薬の使用の有無を問わず、アムロジピンの使用は出生時異常には影響しなかった
AI まとめ
研究背景: 高血圧症は妊娠中の女性において一般的な健康問題であり、これに関連するリスクが増加しています。アムロジピンは高血圧の治療に広く使用されているカルシウム拮抗薬ですが、その早期妊娠中の使用に関する情報は限られています。本研究では、妊娠初期にアムロジピンを使用した場合の安全性について調査しました。
研究デザイン: 本研究は、妊娠初期にアムロジピンを使用した女性と、他の降圧薬を使用した女性、及び降圧薬を使用しなかった女性の間で、出生児の形態異常の頻度を比較する後ろ向きコホート研究です。データは2008年4月から2016年7月の間に東京および大阪の医療施設から収集されました
PICO まとめ: P(Patient): 慢性高血圧を有する妊娠中の女性231人 I(Intervention): 妊娠初期にアムロジピンを使用した48人の女性(Group A) C(Comparison): 妊娠初期に他の降圧薬を使用した54人の女性(Group O)および降圧薬を使用しなかった129人の女性(Group N) O(Outcome): 出生児の形態異常の頻度
結果: 研究結果は以下の通りです: Group A(アムロジピン使用)の48人中2人(4.2%)に形態異常が観察されました。 Group O(他の降圧薬使用)の54人中3人(5.6%)に形態異常が観察されました。 Group N(降圧薬不使用)の129人中6人(4.7%)に形態異常が観察されました。 主要結果は、アムロジピンを使用した女性の出生児における形態異常の頻度が、他の降圧薬を使用した女性や降圧薬を使用しなかった女性と比較して有意な差はないというものでした。
論文の内容まとめ: この研究では、妊娠初期に高血圧治療薬であるアムロジピンを使用した女性が、その後の出産で赤ちゃんに形態異常が発生するリスクを調査しました。アムロジピンを使用した場合と、他の降圧薬を使用した場合、降圧薬を使用しなかった場合とで、赤ちゃんに形態異常が発生するリスクには有意な差がないことがわかりました。これにより、妊娠初期にアムロジピンを使用しても安全性に大きな問題はないと考えられます。