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リドカイン(Ⅰb群)と心室性不整脈
症例
72歳男性。
急性心筋梗塞で救急搬送された。
モニター上、心室性期外収縮(PVC)が頻発し、
心室頻拍(VT)に移行するリスクがあると判断された。
医師はリドカインの静脈内投与を指示した。
リドカインの投与経路として静脈内投与が選択された理由はどれか。
肝初回通過効果が大きく、経口投与では有効血中濃度に達しないため
リドカインは肝初回通過効果(first-pass effect)が非常に大きい薬物である。
経口投与すると、小腸から吸収された後に門脈→肝臓を通過する際に大部分が代謝されてしまい、全身循環に届く量が極めて少ない。
そのため
経口投与
↓
肝臓でほとんど代謝される(初回通過効果)
↓
有効血中濃度に達しない
↓
静脈内投与が必須
→ 抗不整脈薬としてのリドカインは必ず静注(IV)で使用する
リドカインは消化管から吸収されないため
リドカインは消化管から吸収される。問題は吸収ではなく、吸収後に肝臓で大部分が代謝されてしまうこと(初回通過効果)である。
経口投与では副作用が強くなるため
経口投与で副作用が強くなるわけではない。むしろ効果が不十分になることが問題である。
注射薬しか製剤がないため
リドカインには局所麻酔用のゼリー剤やテープ剤など外用剤も存在する。静注が選ばれるのは薬理学的理由(初回通過効果)による。
リドカインはⅠb群抗不整脈薬ですが、Ⅰb群の特徴は何ですか?
- Naチャネル遮断薬のうち、活動電位持続時間(APD)を短縮させるグループ
- 心室性不整脈に有効(心房細動には無効)
- 同じⅠb群にはメキシレチン(経口可能)がある
- Vaughan-Williams分類:Ⅰa群(APD延長)、Ⅰb群(APD短縮)、Ⅰc群(APD不変)