DPP-4阻害薬による類天疱瘡への適切な処置について
参考資料)日本皮膚科学会:皮膚科 Q&A・類天疱瘡(水疱症)
日本皮膚科学会:「類天疱瘡(後天性表皮水疱症を含む)診療ガイドライン」
水疱性類天疱瘡の概要4.薬剤との関連水疱性類天疱瘡は降圧薬や利尿薬,抗生剤など様々な薬剤との関連が報告されているが,特にフロセミドとの強い相関が報告されている .近年,糖尿病治療薬である DPP-4(Dipeptidyl Peptidase-4)阻害薬内服との関連の報告が増加している.
○薬剤との関連について
CQ. 類天疱瘡を引き起こしうる薬剤には、どのようなものがあるか?
- ループ利尿薬:“特に、フロセミドとの強い相関が報告されている”
- https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23324757/
- ループ利尿薬:粗オッズ比2.4 (95%CI, 1.2-5.0); 調整オッズ比 3.8 (1.5-9.7)
- DPP-4 阻害薬:“近年 DPP-4 阻害との関連の報告が増加している”
- ROR:67.5
- 発症時の対策:休薬すると軽快する
- 多くの症例では多くの症例では DPP-4阻害薬内服中止後 10 日前後で水疱性類天疱瘡が軽快した
- しかし、DPP-4阻害薬内服中止後数ヶ月で軽快した症例も散見される
CQ. DPP-4 阻害薬の中で、リスクに差はあるのか
1)添付文書の記載
11.1 重大な副作用
類天疱瘡
アナグリプチン
アログリプチン安息香酸塩
サキサグリプチン水和物
シタグリプチンリン酸塩
テネリグリプチン臭化水素酸塩
ビルダグリプチン
リナグリプチン
オマリグリプチン
トレラグリプチンコハク酸塩
全ての DPP-4 阻害薬は、添付文書に重大な副作用として類天疱瘡の記載がある
2)論文
2-1)
ROR (FAERS データ) vs 全 FAERS 薬
ビルダグリプチン 1022.83(909.45–1150.35)
アナグリプチン 628.63(221.36–1785.24)
テネリグリプチン 521.87(311.10–875.43)
アログリプチン 162.71(125.81–210.43)
リナグリプチン 116.91(100.25–136.35)
シタグリプチン 33.42(28.99–38.52)
サキサグリプチン 11.17(6.00–20.80)
Patrick M Jedlowski et al., Am J Clin Dermatol, 22 (6), 891-900 (2021) [PMID: 34287770]
2-2)
ROR(フランスファーマコビジランスデータ)
vildagliptin (ROR 225·3, 95% CI 148·9–340·9)
sitagliptin (ROR 17·0, 95% CI 8·9–32·5)
saxagliptin (ROR 16·5, 95% CI 2·3–119·1)
Béné J et al., Br J Dermatol. 175(2), 296-301 (2016). [PMID: 27031194]