抗コリン薬のリスク評価
どんな指標があるのか?
抗コリン作用による有害事象が懸念される場面は、臨床でも遭遇することが多い有害事象の一つです。抗コリン作用を持つ薬剤は、数多く存在し、広く使われていることも一因といえます。
これまでに、服用薬剤の抗コリン作用を、定量的に評価するために、いくつかの指標が検討されています。
これらの指標について、開発から時間が経っており、新しい薬が含まれていない、薬の特性が反映されていない、などの問題点も指摘されていました。
2024年には、日本老年学会から、日本版のリスクスケールが発表されました。
日本版抗コリン薬リスクスケール (JARS)
日本老年薬学会
- 個別薬物の評価: 各薬物の抗コリン作用によるリスクを3段階で評価
- 高スコアの薬物は、より低スコアの薬物へ切り替えることを検討
- 総合的なリスク評価: 総抗コリン薬負荷を評価
- 複数の薬物を服用している高齢者の場合、個々の薬物のスコアを合算して総抗コリン薬負荷を算出することで、薬物療法全体の抗コリン作用によるリスクを把握することが可能になる
臨床で、どのように活用されているのか
ARS
「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」の中で、「L. 抗コリン薬」を見ると、抗コリン作用は単独の薬剤の作用ではなく、服用薬剤の総コリン負荷を評価することが重要であり、有害事象のリスクを示す指標として、Anticholinergic risk scale (ARS) などが用いられることがある、と触れられている。
ACB
「過活動膀胱診療ガイドライン 第3版」の中で、抗コリン薬投与開始時に併用薬の抗コリン作用の確認を推奨しており、抗コリン作用のある薬剤の投与負荷の指標として、ACBスケールが触れられている。
指標の比較
まとめ
抗コリン薬の指標 一覧2024/2/4 13:122025/2/1 16:15ムスカリン受容体の選択性と抗コリン性副作用に関する定量的評価
主な抗コリン薬
消化器
鎮痙薬
過敏性腸症候群治療薬
消化性潰瘍治療薬
泌尿器
過活動膀胱治療薬
呼吸器
気管支拡張薬
精神・神経系
パーキンソン病治療薬
眼科
散瞳薬
生薬
鼻炎用内服薬
ベラドンナ総アルカロイド
医療用医薬品にはない
一般用医薬品にある