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08 臨床判断(内分泌の基本:ホルモン軸から薬を理解する)

90分の流れ(今日やること)

時間内容ゴール
0〜10分内分泌系の共通構造「上流→下流」と負のフィードバックを言える
10〜50分ホルモン別の要点(下垂体/ADH/甲状腺/副腎)不足/過剰から治療方向を決められる
50〜70分ホルモン軸完成演習(グループ)4軸を“同じ型”で説明できる
70〜85分症例:ステロイド薬の急な中止観察→判断→報告で急変対応につなげる
85〜90分小テスト今日の型を確認する

到達目標(対面)

  1. ホルモン軸と負のフィードバックを説明できる
  1. 原発性異常と中枢性異常の違いを説明できる
  1. ホルモンの過剰・不足から治療方向を考えられる
  1. ADH異常と尿量・血清Naの関係を説明できる
  1. ステロイド薬の急な中止が危険な理由を説明できる

0〜10分|共通構造(最重要の型)

3つだけ覚える

  • 不足なら補う
  • 過剰なら抑える
  • 上流(視床下部・下垂体)と下流(標的臓器)を同時に見る

原発性と中枢性(超要点)

  • 原発性:標的臓器(下流)が悪い → 末梢ホルモン↓ → フィードバック↓ → 上流ホルモン↑
  • 中枢性:視床下部/下垂体(上流)が悪い → 上流ホルモンが低い/不適切 → 末梢ホルモン↓
例:FT₄が低いのにTSHが低い/正常なら「中枢性」を疑うことがある。

10〜50分|ホルモン別:要点だけ

下垂体:前葉と後葉

  • 前葉:TSH、ACTH、GH、PRL、LH、FSH
  • 後葉:ADHは視床下部で作られて、後葉から分泌

ADHと水代謝(不足/過剰)

ADH不足ADH過剰
代表中枢性尿崩症SIADH
尿量増加減少方向
血清Na上昇方向低下方向
治療方向補う(デスモプレシン等)水分管理、作用を抑える等

甲状腺(不足/過剰)

  • 低下:不足を補充(レボチロキシン)
  • 亢進:合成/分泌を抑える(抗甲状腺薬など)
  • 抗甲状腺薬の重要副作用:無顆粒球症(発熱・咽頭痛は要注意)

副腎(不足/過剰)

  • コルチゾール:血圧維持、糖代謝、ストレス応答
  • アルドステロン:Na再吸収、K排泄(中心調節はRAA系)

50〜70分|ホルモン軸完成演習(グループ)

4人程度のグループで、以下の軸を分担し、シートを完成させる。
  1. 甲状腺軸(TRH→TSH→甲状腺→T₃/T₄)
  1. 副腎皮質軸(CRH→ACTH→副腎皮質→コルチゾール)
  1. 性腺軸(GnRH→LH/FSH→性腺→性ホルモン)
  1. ADHと水代謝
記入する項目
  • 上流ホルモン/下流ホルモン/標的臓器
  • 主な作用
  • 不足時の症状/過剰時の症状
  • 治療方向(補充?抑制?どこを?)
  • 代表薬(1つでよい)

70〜85分|症例:ステロイド薬の急な中止

症例

68歳女性。自己免疫疾患でプレドニゾロン20mg/日を約2か月服用。 自己判断で中止。 数日後から強い倦怠感、食欲不振、悪心。 血圧88/54、血清Na 128、血糖62。

問1 何が起きている可能性?

  • 外因性ステロイドによるHPA軸抑制を背景とした副腎皮質機能低下(副腎クリーゼ疑い)

問2 急に中止すると危険な理由(流れ)

  • 外因性ステロイド → CRH/ACTH↓ → 内因性コルチゾール↓ → 急中止で不足が表面化

問3 何を確認する?

  • 種類、用量、期間、最終服用時刻、自己中止/飲み忘れ
  • 血圧、脈拍、意識、血糖、Na/K
  • 嘔吐・下痢、発熱・感染、手術/外傷などストレス

問4 看護師として重要な対応

  • 急変として速やかに報告
  • 循環・意識・血糖を継続評価
  • 自己判断で中止しない指導/ストレス時の増量など確認

症例ワークシート(記入用)

1 観察(事実)
  • バイタル:____
  • 意識:____
  • 低血糖/低Naを示す所見:____
  • ステロイド歴(種類/用量/期間/最終内服):____
2 判断
  • 何を疑う?:____
  • 根拠(症状+検査):____
3 報告(SBAR)
  • S:____
  • B:____
  • A:____
  • R:____

小テスト(例)

  1. ADHが不足すると尿量と血清Naはどうなる?
  1. FT₄が低いのにTSHが低い/正常のとき、どちらの異常を考える?
  1. 抗甲状腺薬で最重要の副作用(疑うサイン)は?
  1. ステロイドを急に中止してはいけない理由を1文で。