コリン作動薬/排尿促進
コリン作動薬は、副交感神経伝達物質であるアセチルコリン(ACh)の作用を増強し、主に膀胱排尿筋(デトルーサー筋)を収縮させて排尿を促す薬剤群。排尿筋収縮低下(低活動膀胱など)や、術後・薬剤性の一過性尿閉などで検討されることがある。
「尿が全く出ない+下腹部膨満・痛み」=急性尿閉はまず導尿などの緊急対応が優先。
- 直接作用型(ムスカリン受容体作動):
- 膀胱排尿筋のムスカリン受容体(主にM3)を刺激 → 排尿筋収縮↑ → 排尿促進
- 間接作用型(コリンエステラーゼ阻害):
- ACh分解酵素(AChE)を阻害 → ACh↑ → ムスカリン作用↑ → 排尿促進
ポイント:ねらいは「膀胱(排尿筋)を収縮させる」。一方でコリン作動性副作用(徐脈・下痢・気管支攣縮など)が出やすい。
| 分類 | 一般名(例) | 特徴 | 注意点(代表) |
|---|---|---|---|
| 直接作用型(M作動) | ベタネコール | 排尿筋収縮を促進(排尿促進目的) | 徐脈、下痢、発汗、気管支攣縮などのコリン作動性副作用に注意 |
| 間接作用型(AChE阻害) | ジスチグミン | AChを増やしてムスカリン作用を増強(排尿促進目的で用いられることがある) | コリン作動性クリーゼに注意(強い徐脈、呼吸状態悪化、下痢・流涎など) |
- 低活動膀胱/排尿筋収縮低下が疑われるとき(残尿評価が重要)
- 術後尿閉や、麻酔・鎮痛薬などによる一過性の排尿抑制で検討されることがある
- 閉塞性(前立腺肥大症など)が主体の排尿困難では「出口をゆるめる薬(α1遮断薬など)」が中心(コリン作動薬で解決しないことがある)
- 残尿・尿閉の評価:残尿感、尿勢低下、下腹部膨満。可能なら残尿測定
- コリン作動性副作用の観察:
- 徐脈、血圧低下、ふらつき
- 下痢・腹痛、流涎・発汗
- 呼吸状態(気管支攣縮、喘鳴)
- 禁忌・慎重:喘息/COPD、徐脈傾向、消化管閉塞疑い、尿路閉塞疑い など
- 服薬の工夫:食前投与が指示されることがあるため、処方・指示の確認