高カロリー輸液製剤 概要

中心静脈栄養法(TPN)

TPN 基本液:電解質+糖質

ハイカリック
リハビックス

基本液(電解質+糖質)+アミノ酸

ピーエヌツイン

基本液(電解質+糖質)+アミノ酸+ビタミン

フルカリック
ネオパレン

基本液(電解質+糖質)+アミノ酸+ビタミン+微量元素

エルネオパ
ワンパル
ハイカリック リハビックスピーエヌツインミキシッド 【院内のみ】 ※在宅不可フルカリック ネオパレンエルネオパ ワンパル
電解質
アミノ酸○ 【総合アミノ酸】 (モリプロンF)○ 【侵襲時用アミノ酸】 (アミパレン)○ 【侵襲時用アミノ酸】 (フルカリック:アミゼット) (ネオパレン:アミパレン)○ 【侵襲時用アミノ酸】 (エルネオパ:アミパレン) 【総合アミノ酸】 (ワンパル:モリプロンF)
脂肪
ビタミン
微量元素
ネオパレンエルネオパ大塚
ハイカリックフルカリックテルモ
リハビックスピーエヌツインワンパル陽進堂

アミノ酸製剤

○総合アミノ酸製剤
  • アミノ酸配合:FAO/WHO基準や、人乳パターンに準拠して作られている
  • アミノ酸濃度:10〜12%
  • 必須アミノ酸(E)と非必須アミノ酸(N)の比(E/N比):約1
  • 分岐鎖アミノ酸(BCAA):21〜23%
モリアミンS モリプロンFプロテアミン12
総合アミノ酸 (10%)
総合アミノ酸 (12%)
○侵襲時用アミノ酸製剤
  • アミノ酸配合:TEO基準
  • アミノ酸濃度:
  • 必須アミノ酸(E)と非必須アミノ酸(N)の比(E/N比):1.3〜1.7
  • 分岐鎖アミノ酸(BCAA):30〜36% high
    • 過量投与で毒性となるアミノ酸を減量している:グリシン・グルタミン酸・アスパラギン酸など
アミゼット アミニック アミパレン
高分岐鎖アミノ酸
BCAA
アミゼット31.0%
アミニック35.9%
アミパレン30.0%
○肝不全用アミノ酸製剤
肝性脳症:BCAA の血中濃度が低く、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン・チロシン)・メチオニン・トリプトファンの血中濃度が高い
  • アミノ酸配合:Fischer処方(BCAA が多く、Phe・Met・Trpが少なく、Tyr を含まない)等
○腎不全用アミノ酸製剤
  • 必須アミノ酸(E)と非必須アミノ酸(N)の比(E/N比):2.6
  • 分岐鎖アミノ酸(BCAA):42〜46% high
腎不全:血中必須アミノ酸が低下(特に、BCAAとスレオニン)しているが、ヒスチジン・チロシン以外の非必須アミノ酸は高値
アミノレバン モリヘパミンネオアミユー キドミン
肝不全用アミノ酸
腎不全用アミノ酸
○小児用アミノ酸輸液
  • 新生児、乳児、1〜3歳の幼児におけるアミノ酸補給に用いる
  • 分岐鎖アミノ酸(BCAA):39%
プレアミン-P
小児用アミノ酸
 
 

各種疾患・病態に応じた注意事項

アミノ酸

肝機能障害

腎機能障害

 

ビタミン

ワーファリンとビタミン K 含有量

ワーファリン服用者がビタミンKを過剰摂取すると、薬効が減弱
ハイカリック リハビックスピーエヌツインミキシッドフルカリック ネオパレンエルネオパ ワンパル
電解質
アミノ酸○ 【総合アミノ酸】 (モリプロンF)○ 【侵襲時用アミノ酸】 (アミパレン)○ 【侵襲時用アミノ酸】 (フルカリック:アミゼット) (ネオパレン:アミパレン)○ 【侵襲時用アミノ酸】 (エルネオパ:アミパレン) 【総合アミノ酸】 (ワンパル:モリプロンF)
脂肪
ビタミン
微量元素
液量700 5001100, 1200900903〜1354.5 1000, 1500, 20001000, 1500, 2000 800, 1200
ビタミンK 1日量(2L)あたり300 mEq 10, 15 mEqフルカリック3号 1mg/1103mL ネオパレン 2mgエルネオパ 2 mg エルネオパNF1号・2号 150μg/2000mL ワンパル1号・2号 187.5μg/2000mL
備考ハイカリックRF: 腎不全用
エルネオパ エルネオパNF (NF, New Formula) ・エルネオパ NF は、微量元素の量を調整して作られた ・エルネオパ NFは、エルネオパと比較して、ビタミンKの含有量は、大幅に少ない
エルネオパ NF ①ビタミン処方をFDA2000処方とした=ビタミンB1、 B6、 C、葉酸を増量し、ビタミンKを減量 ②微量元素処方をA.S.P.E.N.(アメリカ静脈経腸栄養学会)のガイドラインやESPEN(欧州臨床栄養代謝学会)のガイドラインに準拠させ鉄を減量した
 
高カロリー輸液用総合ビタミン剤に含まれるビタミンK
オーツカMVマルタミン
液量1号:バイアル 2号:アンプル (混合して使用)1100, 1200
ビタミンK (1製剤あたり)2 mg2 mg
 
ワルファリン服用中には、ビタミンK摂取量を1日150μg未満程度に抑えることが適切であり、ビタミンK摂取量が変動したり、摂取量が多い(総ビタミン K 摂取量が 325 μg/日を超える)場合に、ワルファリンによる抗凝固作用が阻害され、悪影響を生じる可能性が懸念されています。
 

微量元素

腎機能障害

電解質異常

胆道閉塞とMn・Cu

MnやCuは胆汁排泄されるため、胆道閉塞ではMn・Cuの血中濃度が上昇する