ヘパリンと HIT(ヘパリン起因性血小板減少症)

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症例
70歳男性。
深部静脈血栓症(DVT)の治療のため
未分画ヘパリンの持続点滴が開始された。
投与開始5日後、血液検査で
血小板が急激に50%以上低下した。
さらに新たな血栓症が発生した。
この原因として最も考えられるものはどれか。
ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)
HITはヘパリンに対する免疫反応で起こる重篤な合併症である。
ヘパリンが血小板第4因子(PF4)と結合し、これに対する抗体が産生される。
この抗体が血小板を活性化し、血小板減少血栓形成を同時に引き起こす。
 
そのため
ヘパリン投与(5〜14日後) ↓ ヘパリン-PF4複合体に対する抗体が産生 ↓ 抗体が血小板を活性化 ↓ 血小板が消費される → 血小板減少 + 血小板が凝集する → 新たな血栓形成
血小板減少+血栓症の矛盾した病態
 
※ HITが疑われたら直ちにヘパリンを中止する。
※ 代替抗凝固薬としてアルガトロバンなどを使用する。
血小板輸血は禁忌(血栓がさらに悪化する)。
ヘパリンの過量投与による出血
ヘパリン過量で出血は起こりうるが、血小板が50%以上低下し、さらに新たな血栓が発生していることは出血ではなくHITを示す。
播種性血管内凝固症候群(DIC)
DICでも血小板減少は起こるが、ヘパリン開始5日後というタイミングとヘパリン使用中の新たな血栓形成は、HITが最も考えられる。
骨髄抑制
ヘパリンに骨髄抑制作用はない。免疫学的機序による血小板減少であるHITが最も考えられる。
HITの早期発見のために看護師が注意すべきことは?
  • ヘパリン開始後5〜14日の血小板数の変動を確認
  • 血小板が50%以上低下したらHITを疑う
  • 血小板減少なのに新たな血栓ができるのが特徴
  • HITが疑われたら直ちにヘパリンを全て中止(ヘパリンロック・ヘパリンコーティングカテーテルも含む)
  • 4Tsスコア(血小板減少の程度・タイミング・血栓・他の原因)で評価