Anaphylactic shock with methylprednisolone sodium succinate in a child with short bowel syndrome and cow’s milk allergy

Porcaro F, Paglietti MG, Diamanti A, Petreschi F, Schiavino A, Negro V, Pecora V, Fiocchi A, Cutrera R. Anaphylactic shock with methylprednisolone sodium succinate in a child with short bowel syndrome and cow's milk allergy. Ital J Pediatr. 2017 Nov 17;43(1):104. doi: 10.1186/s13052-017-0422-4. PMID: 29149860; PMCID: PMC5693518.
 
P:Population 誰を対象に
 
E:Exposure 何をしたら(曝露)
 
C:Comparison 何と比べて(比較)
 
O:Outcome どうなる?(アウトカム)
 
Paper Interpreter
Title (英語・日本語) Anaphylactic shock with methylprednisolone sodium succinate in a child with short bowel syndrome and cow’s milk allergy 短腸症候群および牛乳アレルギーの子供におけるメチルプレドニゾロンナトリウムサクシネートによるアナフィラキシーショック
Journal Name & Publication Year Italian Journal of Pediatrics, 2017年
First and Last Authors Federica Porcaro, Renato Cutrera
First Affiliations Respiratory Unit, Academic Department of Pediatrics, Bambino Gesù Children’s Hospital, IRCCS, Rome, Italy
Abstract メチルプレドニゾロンナトリウムサクシネート(Solu-Medrol 40 mg, Pfizer)を静脈投与した際に、短腸症候群および重度の牛乳アレルギー(CMA)を持つ1歳の子供がアナフィラキシー反応を起こした症例を報告する。この薬剤には乳糖が含まれており、牛乳タンパク質(CMP)の微量痕跡がアレルギー反応を引き起こす可能性がある。治療には抗ヒスタミン薬とエピネフリンが必要であった。
Background 牛乳アレルギー(CMA)は5歳未満の子供の最大3.8%に影響を与える一般的な食物アレルギーである。短腸症候群(SBS)を患っている患者はCMAを発症しやすい傾向がある。CMAの子供に対しては、薬剤の処方とその製剤に特に注意を払う必要がある。
Methods 1歳の男性患者に対して、ウルバソン(40 mg, Sanofi-Aventis)からSolu-Medrol(40 mg, Pfizer)への切り替えが行われた後、アナフィラキシー反応が記録された。皮膚プリックテストおよび皮内テストにより、Solu-Medrol 40 mgが原因であることが確認された。
Results 患者はSolu-Medrol 40 mgの投与後数分以内に喘鳴と全身性蕁麻疹を呈した。症状は抗ヒスタミン薬の投与で解消した。その後の投与において再度アナフィラキシーが発生し、ステロイド治療は中止された。薬剤の製剤には牛乳タンパク質が含まれていることが確認された。
Discussion 牛乳タンパク質(CMP)が特定のステロイド製剤に存在することがある。CMPが含まれるステロイド製剤に対するアレルギー反応は小児集団で報告されている。SBSの基礎疾患がCMAの発症に関与する可能性があり、牛乳アレルギーのある患者にはCMPを含まない製剤が推奨される。
Novelty compared to previous studies Solu-Medrol 40 mgに含まれる牛乳由来の乳糖がアレルギー反応を引き起こすことを実証し、短腸症候群の患者がCMAを発症しやすいことを確認した。
Limitations 牛乳タンパク質汚染の確認は10ロットの製剤のみに基づいており、他の製剤についてのデータはない。
Potential Applications 牛乳アレルギー患者への薬剤処方時には、乳糖を含まない製剤の使用が推奨される。また、薬剤製造業者には全ての製剤においてCMPを完全に排除する措置が求められる。
 

参考資料

日本のメチルプレドニゾロン製剤
 
メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム 
ソル・メドロール静注用40mg:乳糖水和物 25.0mg
ソル・メドロール静注用125mg:(乳糖の記載なし)
ソル・メドロール静注用500mg:(乳糖の記載なし)
ソル・メドロール静注用1000mg:(乳糖の記載なし)
注意点:規格によって添加剤が異なる! なお、ソル・メドロール静注用40mgについて、乳蛋白の夾雑については、電子添文や IF には記載なし
 
メチルプレドニゾロン酢酸エステル 
デポ・メドロール水懸注20mg:(乳糖の記載なし)
デポ・メドロール水懸注40mg:(乳糖の記載なし)