Armstrong LE, Int J Sport Nutr (1994) [PMID: 7987361]
「SGLT2阻害薬患者指導箋(JSNP版)」被引用論文
AI まとめ
この論文は、尿の色が人間の水分状態を正確に示すかどうか、および尿浸透圧(U_osm)と尿比重(U_sg)を研究において交換可能かどうかを調査することを目的としています。3つの研究(A、B、C)が実施され、異なるデザインを採用しています。
方法:
研究Aでは、全身水分の測定が行われ、研究Bでは、暑環境での制服運動中の身体的パフォーマンスの生理学的および人体測定学的予測因子を同定することが目的でした。研究Cでは、暑環境で行われた10時間のテニスマッチ中の大学生テニス選手の体液・電解質バランスが調査されました。
結果:
研究A、B、Cで測定された値は、研究Cでは血清浸透圧(S_osm)がプラズマ浸透圧(P_osm)の代わりに分析された以外は、すべての研究で同じでした。研究Bでは、最終的な体重や体重変化(ΔBW)は、どの尿変数(U_color、U_osm、U_sg、U_Na、尿量)とも有意に相関しませんでした。研究AとBの相関行列では、U_colorとU_osm、U_colorとU_sg、U_osmとU_sg、U_sgとU_Naの間に有意な関係が見られました。研究Bのプロトコルでは、U_colorの変化が観察され、これは脱水の敏感な指標であり、ホット環境でのトレッドミル歩行に伴う腎プラズマ流と糸球体濾過率の減少を反映していることを示唆しています。しかし、研究Cでは4.5時間の激しいテニスマッチ後に、どの変数でも運動誘発性の変化は観察されませんでした。
結論:
統計的な水分状態の定義は、U_color、U_osm、U_sgの範囲に基づいて行われました。脱水状態(hypohydrated)は、U_colorが7より大きく、U_osmが1052 mOsm/kgより大きく、U_sgが1.029より大きい場合と定義されました。一方、良好な水分状態(euhydrated)は、U_colorが3~7、U_osmが442~1052 mOsm/kg、U_sgが1.013~1.029の範囲と定義されました。これらの定義は、米国の食物栄養素に対する推奨摂取量を決定する方法に類似しており、これまでにこれらの水分状態の用語が定量化されたことはなかったとされています。研究AおよびBでは、追加の水を飲むよう指示されたにもかかわらず、一部の被験者が実験室に脱水状態(U_color > 7、U_osm > 1052 mOsm/kg、U_sg > 1.029)で到着したことが報告されています。
この論文は、尿の色が脱水の敏感な指標であり、特にホット環境での運動中の脱水を反映することを示しています。また、適切な水分摂取量を学ぶために、いくつかの個人は、単なる口頭指示だけでなく、U_colorやU_sgなどの客観的な尿測定からのフィードバックが必要であることも示唆しています。