教職員が医療用医薬品を使用することについて

原則:児童生徒に医療用医薬品を使用する行為は、医行為であるため、行うことはできない。しかし、条件を満たしたうえで、実施可能とされている事柄がある

医師法第17条の解釈について

原則として、教職員が、児童生徒に医療用医薬品を使用する行為は、医行為にあたるので行うことはできない。
ただし、以下の場合は可能。
①3つの条件を満たすこと
(1) 患者が入院・入所して治療する必要がなく、容態が安定していること
(2) 副作用の危険性や投薬量の調整等のための、医師または看護職員による経過観察は必要ない
(3) 当該医薬品の使用方法に専門的な配慮が必要ではない(例:内用薬の場合「誤嚥の可能性がない」、坐薬の場合「肛門からの出血の可能性がない」)
②3つの条件を満たしていることを、医師・歯科医師・看護職員が確認し、教職員等が医薬品の使用の介助ができることを、本人・家族に伝えている
③事前に、本人・家族から教職員に依頼があること
④医薬品が処方され薬袋等により区分されている
⑤事前に専門職から服薬指導を受けて、指導・助言を遵守して医薬品の使用を介助する
 
可能な医薬品の使用の介助:
  • 皮膚への軟膏の塗布(褥瘡の処置を除く)
  • 皮膚への湿布の貼付
  • 点眼薬の点眼
  • 一包化された内用薬の内服(舌下錠も含む)
  • 肛門からの坐薬挿入
  • 鼻腔粘膜への薬剤噴霧の介助
参考)厚生労働省医政局長:「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について(通知)」、医政発第0726005号、平成17年7月26日.

医薬品別に定められている内容

てんかん発作時の坐薬挿入について

  • 学校
    • 文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課:「学校におけるてんかん発作時の坐薬挿入について」、事務連絡、平成28年2月29日.(「平成28年通知」)
    • 厚生労働省医政局医事課長:「医師法第17条の解釈について(回答)」、医政医発0224第2号、平成28年2月24日.
    • 文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課:「学校におけるてんかん発作時の坐薬挿入について(依頼)」、事務連絡、平成29年8月22日.・・・平成28年通知の周知
  • 保育所、幼保連携型認定こども園、放課後児童健全育成事業、放課後子供教室等
    • 「教育・保育施設等におけるてんかん発作時の坐薬挿入に係る医師法第 17 条の解釈について」(平成29 年8月 22 日付け内閣府子ども・子育て本部参事官(認定こども園担当)、文部科学省生涯学習政策局社会教育課長、厚生労働省医政局医事課長、厚生労働省子ども家庭局保育課長、厚生労働省子ども家庭局子育て支援課長連名通知)
 

てんかん発作時の口腔用液の投与について

  • 学校等:学校、保育所、幼保連携型認定こども園、放課後児童健全育成事業、放課後子供教室、認可外保育施設等
    • 「学校等におけるてんかん発作時の口腔用液(ブコラム((R)))の投与について」、令和4年7月19日
  • 児童発達支援又は放課後等デイサービス
    • 「児童発達支援又は放課後等デイサービスにおけるてんかん発作時の口腔用液(「ブコラム((R))」)の投与に係る医師法第17条の解釈について」、令和5年3月31日
(参考資料)
 

アナフィラキシーショック時の自己注射薬の投与について

  • 学校現場等
    • 厚生労働省医政局医事課長:「医師法第17条の解釈について(回答)」、医政医発1127第1号、平成25年11月27日.
(参考資料)
 

重症の低血糖発作時のグルカゴン点鼻粉末剤投与について

  • 学校、保育所、幼保連携型認定子ども園、放課後児童健全育成事業、放課後子供教室、認可外保育施設、児童発達支援、放課後等デイサービス等
    • 「学校等における重症の低血糖発作時のグルカゴン点鼻粉末剤(バクスミー)投与について」、事務連絡、令和6年1月25日
      厚生労働省医政局医事課長:「医師法第17条の解釈について(回答)」、医政医発 0122 第3号、令和6年1月22日.
 
 

学校における医療的ケア

参考資料)特別支援学校における薬の取扱いの手引