双極性障害(双極症)2023
※薬物療法やセルフケアの部分を抜粋

〈ライフスタイル(生活習慣)への介入ポイント例〉
- 眠るためだけに床につくこと。眠る前の短時間の読書はよいかもしれないが、ベッドの中での勉強、TV、スマートフォン、摂食は避ける。
- 夕食はたくさんとらない。
- アルコール、チョコレート、コーヒーなどの摂取は刺激になるため避ける。
- タバコも刺激物なので避ける。もし吸うとしても、就寝前の 30 分間は吸わない。
- ディスプレイの光が刺激になるので、就寝前の30 分間は、パソコン、スマートフォン、TV は避ける。
- 就寝前に言い争いをしない。
- 不規則なスケジュールの勤務を避ける。必要があれば診断書を提出して、夜勤を制限してもらう。
〈ストレスマネジメントのポイント例〉
- 客観的な見方:我々は心配事を過大評価する傾向がある。物事を客観的にみないと、比較的普通のことまで過度に心配することになり、疲れ果 ててしまう。たとえば、試験や仕事で失敗したからといって、世界が終わるわけではない。
- リラクセーション法:必要に応じて、あるいは毎日行えるリラクセーション法を学んでおくと役に立つ。Jacobson の筋弛緩法と Schulz の自律訓練法などがある。
- 呼吸法:腹式呼吸はストレス緩和に有用である。








双極性障害とつきあうために
双極性障害とつきあうために、患者さんご自身に心がけていただくべきこと
1) 医学的な治療を十分に受けること
2) 自分の今の気分の状態をよく知ること
3) 治療目標の設定を明確にすること
4) 生活のリズムを整えること
5) ストレスとの付き合い方を学ぶこと
特徴
(1)「あれもこれもやらなければならない」と考え、優先順位がつかず、無理なプランを立てる
→優先順位をつけて、「これはやるが、これはおいておく」と決めること
(2)「自分がやらねばならない」という意識が強すぎで、「一人で抱え込む」
→自分ひとりで問題を抱え込まず、身近な人に相談すること、を心がけていただくこと
6) これまでの経過を理解すること
方法:ライフチャートを記入する
7) 治療の仕上げにリハビリを
一昔前なら、双極性障害を発症した場合、療養期間は大まか 3 ヵ月くらいと 見込んでいましたが、最近ではもう少し時間をかけた方がよいという意見が多 いようです。とくに治り際は、一過性に不安定になったり、社会復帰をあせったりして悪化する危険があります。また、今の経済・社会状況では、復職後に求められる仕事のレベルが、かつてより高いものとなる傾向があります。
それゆえ、社会復帰の最後の仕上げに、リハビリテーションをすることが有益です。それほど難しいことではなく、体力づくりや、新聞を読んだり短い文章を作成する簡単なデスクワーク、あるいは通勤の練習などです。主治医や心理士、あるいはその他のスタッフと相談しながら進めてみてください。最近では、医療機関や行政でリワーク・プログラムを行っている場所もあります。
8) 社会からの援助(福祉制度)を活用すること