SGLT2阻害薬
SGLT2阻害薬は、腎近位尿細管でのブドウ糖再吸収(SGLT2)を抑えて 尿中に糖を出す ことで血糖を下げる薬効群です。
尿量が増えるため 多尿・頻尿・口渇 が出やすく、食事摂取不良や発熱・下痢などが重なると 脱水 に傾きます。また、インスリン不足(減量・中断)や絶食・感染などの条件が重なると ケトアシドーシス(DKA) のリスクが上がるため、タイミング管理が重要です。
SGLT2阻害薬は、実務上は「どの薬を使っているか」で整理します(用量・腎機能での使い方が薬剤で異なることがあるため)。
- 代表薬:ダパグリフロジン、エンパグリフロジン など
- 特徴:尿量増加(多尿・頻尿・口渇)。脱水・感染、DKAに注意
SGLT2阻害薬は「糖尿病薬」という位置づけに加えて、薬剤によっては心不全や慢性腎臓病(CKD)などにも適応を持つ場合があります。
ただし、適応の有無・投与条件(腎機能など)・用量は薬剤ごとに異なるため、処方意図(何の目的で使っているか)を確認して整理します。
- 2型糖尿病:血糖改善(体重・血圧にも影響することがある)
- 心不全:うっ血・予後の観点で使われることがある(糖尿病の有無と独立して位置づけられる場合も)
- CKD:腎保護目的で使われることがある(適応・eGFR条件は製剤で異なる)
- 最重要リスク:ケトアシドーシス(DKA)(必ずしも著明高血糖を伴わないことがある) 強い倦怠感、悪心・嘔吐、腹痛、過呼吸、意識変化などがあれば要注意
- 次に重要:脱水(多尿、口渇、尿量変化、立ちくらみ、血圧低下、腎機能悪化)
- 感染:尿路・性器症状(排尿痛、頻尿、違和感、かゆみ、発赤など)。重症化のサインがあれば早めに共有
- 高齢者での注意:口渇の訴えが乏しい/水分摂取が追いつかない → 脱水・ふらつき・転倒につながりやすい。夜間頻尿も転倒要因
- 腎機能/肝機能:脱水で腎機能が揺れやすい。開始後にCr/eGFRや血圧、体重変化を併せて確認
- 低血糖:単独では少ないが、インスリンやSU薬併用時は低血糖に注意(併用薬調整が入る時は特に)
- 開始時:尿量、口渇、水分摂取、体重、血圧、ふらつき、腎機能、尿路・性器症状
- 脱水時(発熱、下痢、嘔吐、食事摂取不良など):一気に脱水・腎機能悪化に傾くため早めに共有
- 食事摂取不良時/極端な糖質制限時:DKAリスクが上がりやすい(ケトン体・症状も含めて評価)
- 感染時:尿路・性器症状の変化、全身状態(脱水)を確認
- 手術・絶食時:休薬/再開のルールに従う(DKA予防の観点)
- インスリン減量時:減量が過度だとDKA側に傾きうるため、症状・ケトン体・血糖推移を意識
- Evidence Library:糖尿病診療ガイドライン、SGLT2阻害薬とDKA/脱水の安全管理、高齢者の医薬品適正使用(総論/各論)など
- 添付文書:各SGLT2阻害薬(禁忌、用法用量、感染・脱水・DKAの注意事項)