がん患者におけるせん妄ガイドライン 2022年版 第2版
せん妄の薬物治療
- せん妄の発症予防
- せん妄の発症後の症状マネジメント
終末期など予後が限られた場合、「鎮静のための薬物療法」も
1) せん妄の発症予防
抗精神病薬:ハロペリドール・リスペリドン
・・せん妄予防の無作為化比較試験は複数行われているが、一定の結論は得られていない
不眠のコントロール
- ベンゾジアゼピン系薬:【注意】
- ラメルテオン:せん妄の予防に有効だとする無作為か比較試験の結果が報告されている(PMID: 24554232)。(他に、ラメルテオンかスボレキサントのいずれかが投与されているせん妄リスク患者(65歳以上、待機的手術)におけるせん妄の発生が少なかったというリアルワールドデータが報告されている(PMID: 31851436)。)
- スボレキサント:せん妄の予防に有効だとする無作為か比較試験の結果が報告されている(PMID: 28767209)
2) せん妄の発症後の症状マネジメント
- 保険診療上、せん妄に対して保険適応があるのは、「チアプリド」のみ
- 「審査上認める」という通知が出たのは、以下(審査情報提供事例、平成23年9月26日)
- 薬剤:「ハロペリドール【内服薬】【注射薬】」、「フマル酸クエチアピン【内服薬】」、「ペロスピロン塩酸塩水和物【内服薬】」
- 疾患:「器質的疾患に伴うせん妄・精神運動興奮状態・易怒性」