薬の保管方法

(薬剤師が伝えたい)家庭で薬を保管するときに気をつけてほしいところは?
家庭内での事故を防ぐために、医薬品の変性を防ぐために。特に、次のような点に注意しましょう
 
 

薬の正しい保管方法

 
薬を正しく使うことと同時に、薬を正しく保管することも大切です。
家庭内での医薬品による事故を防ぎ、医薬品の変質を防ぐために、特に、次のようなポイントに注意が必要です。
 

(1) 子どもの手の届かないところに保管しましょう

 
子どもが医薬品を誤飲した事故も実際に発生しています。
中には、手が届かなさそうなところに置いたはずなのに、という事例もありました。
 
カラフルな医薬品は、珍しく魅力的なものに見えるのかもしれません。
大切そうに見えて、私もほしい!と興味をそそってしまいます。
 
子供の誤飲を防ぐために、子供のすぐ手の届くところには、薬を放置しないようにしましょう。
薬を廃棄する際にも、子供の目に触れないように処分しましょう。
 
飲み薬(内服薬)だけでなく、外用薬にも注意が必要です。

(2) 湿気、日光、高温を避ける

 
薬は、一般的に湿気・光・熱によって変質しやすいです。
 
湿度の高くない、直射日光の当たらない、高温にならない場所で保管しましょう。
 
薬の包装は、薬を湿気や光から守る役割も果たしています。
包装から出してピルボックスに入れて保管するのは、あまりおすすめしません。
(もちろん、サプリメントのように瓶にたくさんの錠剤が入っているようなもののように、小分けできるものもありますが)
 
特に、自己注射用の注射器は、保管方法をあらかじめ十分に確認しておきましょう。
 
また、冷蔵庫で保存するように指示された薬は、凍らせないように気をつけましょう。
 

(3) 薬以外のものと区別する

 
誤使用を避けるため、食品・農薬・殺虫剤・防虫剤などと一緒に保管するのは、絶対にやめましょう。
 
以前、防虫剤とカップ麺を一緒の場所に保管していたため、殺虫剤成分が浸透したことが原因で、カップ麺を食べた人が嘔吐したこともありました。
 

(4) 他の容器に入れ替えない

 
容器を入れ替えると、薬の種類や使い方が分からなくなり、ご使用によって、事故を招く恐れがあるため、薬を他の容器に入れ替えて保管することは、原則として、おすすめしません。
 
中には、薬を忘れずに飲むために、ご自身で仕分けをしている方もいらっしゃいます。忘れずに飲めるように、工夫していただいてありがとうございます、という気持ちです。
ただ、薬の飲み方などがわからなくならないように、同封されている説明書(薬剤情報提供書)や薬を入れてあった薬袋などは、薬を飲み終わるまでは、絶対に捨てないように、お願いいたします。
 

(5) 古い薬は廃棄

 
使用期限を過ぎた薬は、分解や成分の変質によって、本来の効果が得られなくなっている可能性があります。そのため、使用期限を過ぎている薬や、見ために異常がある薬は、使わないようにしてください。使用期限を過ぎた古い OTC 医薬品は、たとえ未開封であっても捨てましょう。
 
もし、頓服薬で、長期間保存する可能性があるときは、調剤を受けるときに、薬の使用期限を確認しておくことをおすすめします。
 
また、医療用医薬品で飲み残しがある場合は、薬局にご相談ください。
もちろん、薬剤師としては、「なぜ飲み残しがでるのか?」、「何か解決策はないか?」と考えてしまいます。そこの対策も、薬剤師にお手伝いさせてください。お気軽にご相談ください。
 
 
(参照元)「知っておきたい 薬のリスクと、正しい使い方」、政府広報オンライン、2022年9月28日.(https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201310/2.html