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α₁遮断薬

α₁遮断薬

① 薬効群の概要

前立腺肥大症(BPH)では、前立腺・膀胱頸部の平滑筋緊張(機能的閉塞)が排尿障害に関与する。α₁遮断薬はこの平滑筋を弛緩させ、比較的速やかに排尿症状を改善するため、BPHに伴う下部尿路症状(LUTS)の第一選択として用いられる。

② 作用機序

作用部位受容体作用
前立腺・膀胱頸部・尿道の平滑筋主に α₁A受容体α₁受容体遮断 → 平滑筋弛緩 → 尿道抵抗↓ → 排尿改善
血管平滑筋主に α₁B受容体血管拡張 → 血圧低下(副作用として出やすい)
  • BPHは「前立腺のサイズ(機械的閉塞)」+「平滑筋緊張(機能的閉塞)」の両方が関与
  • α₁遮断薬は主に機能的閉塞の改善に効く(前立腺体積を小さくする薬ではない)

③ 代表薬(特徴の違い)

一般名先発品特徴
タムスロシンハルナール®尿路選択性(α₁A寄り)。BPHの標準薬の一つ
シロドシンユリーフ®α₁A選択性が高い。射精障害が問題になることがある
ナフトピジルフリバス®α₁Dへの作用も持ち、蓄尿症状(頻尿など)に有利とされることがある

④ 適応・使いどころ

  • 前立腺肥大症に伴う排尿障害(LUTS)
    • 尿勢低下、排尿開始遅延、残尿感などの改善
  • 速やかな症状改善が必要なときに選ばれやすい
  • 前立腺体積が大きい場合は、5α還元酵素阻害薬との併用が検討される
💡
α₁遮断薬で注意したいこと(ポイント)
  • 投与初期に起立性低血圧が出やすい(特に高齢者)
  • 降圧薬、PDE5阻害薬(ED治療薬)との併用で低血圧が強くなることがある
  • 白内障手術予定がある場合:IFIS(術中虹彩緯緩症候群)のリスク → 眼科に服薬歴を必ず伝える

⑤ 主な副作用

  • 起立性低血圧、めまい、ふらつき、失神
  • 頭痛、動悸
  • 鼻閉
  • (薬剤により)射精障害
  • 白内障手術関連:IFIS

⑥ 看護のポイント(観察事項・指導)

  • 転倒リスク評価(特に投与初期・増量時):立ちくらみ、ふらつきの有無
  • 起立性低血圧の予防指導
    • 急に立ち上がらない、起床時は段階的に体位変換
    • 夜間トイレ時の転倒対策(足元灯、手すり、導線確保)
  • 排尿症状の変化の把握
    • 尿勢、残尿感、夜間頻尿、尿閉症状(出ない・下腹部膨満)
  • 併用薬確認
    • 降圧薬、PDE5阻害薬、利尿薬など(低血圧や頻尿への影響)
  • 手術予定の確認
    • 白内障手術前:α₁遮断薬の内服歴を眼科へ共有するよう指導