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胃カメラ陰性なのに症状が続くのはなぜ?(機能性ディスペプシア)

導入の問い 胃カメラで「異常なし」と言われたのに、なぜ症状が続く?患者さんにどう説明する?
症例(導入)
患者:40代。みぞおちの不快感・胃もたれ・胸やけが1〜2か月続く。
検査:上部消化管内視鏡(胃カメラ)で潰瘍・がん所見なし(ピロリ陰性)。
患者の言葉:「胃カメラで陰性だったのに、なんでまだ気持ち悪いの?薬は必要?」
経過:食後に悪化しやすい。吐血・黒色便なし。体重減少なし。
ねらい
  • 「検査で否定できたこと/残る可能性」を整理する
  • 機能性疾患(機能性ディスペプシア、逆流症状など)を言語化する
  • 薬の目的(胃酸・運動・症状緩和)と看護の観察につなげる
Q0(患者さんへの返答:4択) 患者さんに「胃カメラで陰性だったのに、なんでまだ気持ち悪いの?薬は必要?」と聞かれた。最も適切な返答はどれ?
「胃カメラで潰瘍やがんなどの大きな病気が否定できたのは大事な結果です。見た目に異常がなくても、胃の動きや過敏さ、胃酸の影響などで症状が続くことがあります。薬は症状を和らげる目的で使います。」
A.(正解)
安心につながる説明(否定できたこと)+機能性の病態(残る可能性)+薬の目的(症状緩和)をセットで伝えられている。
「胃カメラで異常がないなら、気のせいなので薬は不要です。様子を見ましょう。」
B.(不適切)
症状のつらさを否定してしまい、不安や不信につながる。機能性疾患の可能性も説明できていない。
「胃カメラは間違うことが多いので、すぐ別の病院で再検査してください。薬は飲まずに待ちましょう。」
C.(不適切)
検査への不信をあおる表現になりやすい。レッドフラッグ確認など、適切な手順が抜けている。
「原因が分からないので、薬が効くかは運次第です。とりあえず強い薬を増やしておきます。」
D.(不適切)
不安を増やし、不要な増量にもつながりうる。薬の目的・使い方の説明になっていない。
Q1(まず確認:見逃し注意) この時点で追加で確認したい「危険サイン(レッドフラッグ)」は?
体重減少、黒色便/吐血、貧血、嚥下困難、発熱、強い夜間症状 など
まずは器質的疾患や出血・悪性疾患の示唆がないかを確認する。
Q2(病態の見立て) 胃カメラが陰性でも症状が続く理由として、どんな病態が考えやすい?(複数OK)
機能性ディスペプシア(FD):胃の運動低下・知覚過敏
「見た目の傷」はなくても、胃の動きや過敏さの変化で、胃もたれ・みぞおち不快感が続くことがある。
胃食道逆流(GERD/NERD):酸の逆流・過敏
内視鏡でびらんがなくても(NERD)、胸やけなどの症状が出ることがある。
生活要因(食事、睡眠、ストレス)、薬剤性 など
誘因の確認(NSAIDs、鉄剤、抗菌薬後、カフェイン、喫煙、夜食など)で見立てが変わる。
Q3(患者さんへの説明:実習生の一言例) 安心につながる説明を1〜2文で言い換えると?
例:大きな病気が否定できた+機能の不調でも症状は起こりうる
「胃カメラで潰瘍やがんなどの大きな病気が見つからなかったのは大事な結果です。 一方で、胃の動きや過敏さ、胃酸の影響など“機能の不調”でも症状が続くことがあるので、症状を和らげるために薬を使うことがあります。」
観察事項(看護)
  • 症状のタイミング:食後・空腹時・夜間、体位(臥位で悪化するか)
  • 便通、食事量、水分、睡眠、ストレス
  • 服薬状況:いつ飲んでいるか(食前/食後/就寝前)、自己中断の有無、副作用
関連する薬(例)
  • 胃酸を抑える薬(PPI/H2)
  • 消化管運動機能改善薬
  • 制酸薬・粘膜保護薬(症状に応じて)