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経皮吸収型製剤/途中で剥がれたら?

経皮吸収型製剤は、途中で剥がれたら、どうしたら良いですか?
A:
基本的には、一部分が剥がれたら、絆創膏や肌用テープなどで固定しますが、完全に剥がれたら新しいものに貼り替えます。そして、本来の貼り替えのタイミングで新しものに貼り替えてください。
ただし、特殊なものもあります。
 

はじめに

テープ剤は、皮膚に貼っておくと長時間にわたって薬剤が放出され続けるという点で優れた製剤です。
1日2回や、1日中貼って良いものがあります。中には、3日間や7日間貼り続けられるものもあります
 
ただし、貼った個所の皮膚のかぶれや、途中で剥がれる、という問題もあります。
 
こちらに書いているのは一般的な説明です。個別に説明を受けていらっしゃる場合は、その説明の通りになさってください。
 

全身作用の薬剤

基本的な考え方

基本的な考え方: 一部が剥がれてきたら、絆創膏などで固定し、 全部剥がれたら、新しい製剤を貼る →いつも貼り替える予定の時に、新しい製剤を貼る

一部が剥がれたら、絆創膏などで固定する

テープ剤の一部が剥がれてきたら、絆創膏などを貼って固定してください。
 
ビソプロロール(ビソノテープ) https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/2149700
(添付文書)
14.1.2 貼付期間中
本剤が皮膚から一部剥離した場合は、絆創膏等で剥離部を固定すること。
 

完全に剥がれたら新しい製剤を貼付し、いつもの貼り変える予定のときに、新しい製剤を貼付

完全に剥がれた場合は、新しい製剤を貼付してください。
ただし、その前に貼っていた場所とは、可能であれば、部位をずらすほうがよいです(かぶれ予防のため)。
 
その次の貼り替えるタイミングは、元々の貼り替え予定の時に、貼り替えてください。
 
オキシブチニン塩酸塩(ネオキシテープ73.5mg)https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/2590700
(添付文書)
14.1.3 貼り替え時
(2) 本剤が途中ではがれ落ちた場合は、直ちに新たな本剤を貼付すること。また、次の貼り替え予定時間には新たな本剤に貼り替えること。
 

特別な例

12時間以上貼っていたら、再貼付不要

ツロブテロール(ホクナリンテープ) https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/2259707
Q. 夜寝る前に貼り、朝起きたらはがれていました。どうしたらよいですか?
一度はがれたテープを再び貼ることはできません。
テープを貼ったあと12時間経過していた場合、気管支を広げる働きが急になくなることはないため、通常は貼りなおす必要はないと考えられますが、患者さんの症状によっては新しいテープを貼りなおす場合もあります。症状に合った対処法は、医師にご確認ください。
(患者さん向け説明ページ http://hokunalin.jp/patient/
 

貼り替えたら、そこから新たに貼付期間を開始

複数日にわたって貼り続ける製剤の場合は、貼り替えたら、その時点から貼付期間を開始します。(もともとの予定ではなく、貼り替えた所から、新しい貼り替え時期に、貼り替える)
 
〇7日間貼付する薬剤
ブプレノルフィン(ノルスパンテープ) https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/1149704
14.4.2 本剤が皮膚から一部剥離した場合は、再度手で押しつけるか、又は皮膚用テープ等で剥離部を固定するが、粘着力が弱くなった場合は、直ちに同用量の新たな本剤に貼り替えて7日間貼付すること。またその場合は、現在の貼付部位とは異なる部位に貼付すること。[8.3 参照][14.1.2 参照]
 
〇3日間貼付する薬剤
フェンタニル(デュロテップMTパッチ) https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/8219700
(添付文書より)
14.3 薬剤貼付期間中の注意
14.3.2 本剤が皮膚から一部剥離した場合は、再度手で押しつけて剥離部を固定するが、粘着力が弱くなった場合はパッチを剥離し、直ちに同用量の新たなパッチに貼り替えて3日間貼付すること。

剥がれにくい工夫

合わせて、剥がれにくい貼り方の工夫をすることも有用です。
貼る場所は、あらかじめ清潔にしておき、水分を十分に拭き取ってから貼付しましょう。
体毛がない場所の方が剥がれにくいので、体毛がない場所に貼りましょう。ただし、カミソリや除毛剤を使用すると皮膚を損傷して、薬物吸収が高くなりすぎる可能性があります。除毛した場所に貼らないようにしましょう。
 
皮膚に炎症や損傷がある部位に貼らないようにしましょう。
 
経皮吸収型製剤の注意事項一覧
 

おわりに

ご不明な点は、気軽にお声かけください。あなたに合った使い方を、一緒に考えたいです。
 
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
 
参考資料)
各製品の添付文書