15 対面授業(妊娠・小児・高齢者・先端治療と総合症例)

90分の流れ(今日やること)

時間内容ゴール
0〜5分事前学習確認(3問)「ライフステージでリスクが変わる」前提をそろえる
5〜30分ミニ講義(妊娠・小児・高齢者・先端治療)同じ薬でも評価軸が変わることを説明できる
30〜40分整理演習(共通6問)適応/効果/有害事象/背景/投与/継続を一括で見る
40〜85分症例3本(妊娠/小児/高齢者)観察→判断→報告を統合する
85〜90分小テスト今日の型を確認する

到達目標(対面)

  1. 妊娠・分娩では母体と胎児を同時に観察できる
  1. 妊娠・授乳ではリスクと治療利益を比較して説明できる
  1. 小児では体重換算・製剤濃度・計量器具の確認で投与誤差を防げる
  1. 高齢者では転倒・せん妄・低血糖などを薬から考えられる
  1. 先端治療(酵素補充/遺伝子/再生)の概念と長期観察の必要性を説明できる

0〜5分|事前学習確認(口頭チェック)

  1. 妊娠中に薬を自己中断してはいけない理由は?
  1. 「mg/kg/日」と「mg/kg/回」の違いは?
  1. ポリファーマシーを薬剤数だけで判断できない理由は?

5〜30分|ミニ講義(要点)

妊娠・分娩に用いる薬:母児を同時にみる

  • 子宮収縮薬:子宮収縮+胎児心拍+出血+母体バイタル
  • 子宮収縮抑制薬:脈拍/血圧/呼吸/血糖/肺水腫徴候
  • 硫酸Mg:呼吸数、意識、腱反射、尿量、血中Mg

妊娠・授乳:リスクとベネフィット

  • 妊娠週数、薬の種類/用量/期間
  • 母体疾患を治療しない危険
  • 代替治療の有無

小児:投与誤差を防ぐ(確認7項目)

  1. mg/kg/回 or mg/kg/日
  1. 1日最大量
  1. 成人最大量を超えない
  1. 製剤濃度(mg/mL など)
  1. 最新体重
  1. 家族が正しく計量できる器具
  1. 同成分の市販薬の併用

高齢者:有害事象から処方を見直す

  • 転倒・ふらつき:降圧薬、利尿薬、睡眠薬、脱水
  • せん妄:抗コリン薬、睡眠薬、オピオイド、ステロイド
  • 低血糖:インスリン、SU薬など
  • 出血:抗凝固薬、抗血小板薬、NSAIDs

先端治療(概念)

治療基本概念観察の視点
酵素補充不足を補う投与時反応、アナフィラキシー、継続
遺伝子治療遺伝子で機能を変える遅発性有害事象、長期追跡
再生医療細胞・組織で修復感染、免疫反応、腫瘍化、長期観察

30〜40分|統合整理演習(共通6問)

各症例で同じ6問を使う。
問い確認内容
① なぜ使っているか適応・治療目標
② 効いているか症状、検査値、生活機能
③ 薬による変化ではないか有害事象、相互作用
④ 患者背景はどうか妊娠、年齢、体重、腎肝機能
⑤ 正しく投与できるか剤形、手技、計算、服薬管理
⑥ 続けられるか理解、家族支援、費用、生活状況

40〜52分|症例1:分娩時のオキシトシン

30歳、妊娠40週。オキシトシン持続投与中。子宮収縮が10分に6回。胎児心拍に遷延する低下。

問い(書く)

  1. 何が起きている可能性?____
  1. 薬理作用から説明:____
  1. 何を優先して観察・報告する?____
ヒント
  • 収縮回数/持続/弛緩
  • 胎児心拍
  • 投与速度
  • 母体バイタル、出血、疼痛

52〜65分|症例2:小児の投与量

2歳、体重12kg。アセトアミノフェン10mg/kg/回。濃度20mg/mL。家族が大さじで約15mL。

問い

  1. 正しい1回量(mL):____
  1. 実際の投与量(mg):____
  1. 追加で確認すること:____
  1. 再発防止(指導):____

65〜85分|症例3:高齢者ポリファーマシー(総合)

84歳女性。ふらつき・転倒・日中眠気・食欲低下。今朝から会話がかみ合わない。 内服:アムロジピン、フロセミド、ゾルピデム、オキシブチニン、グリメピリド、アピキサバン。市販NSAIDsも。食事/水分低下。eGFR 32。

問い1:今すぐ確認すべきこと(優先順)

  • 血糖:____
  • BP/HR(起立時含む):____
  • 意識:____
  • 頭部打撲:____
  • 出血徴候:____
  • 脱水:____

問い2:薬との関連(例)

  • ふらつき/転倒:降圧薬、利尿薬、睡眠薬、脱水
  • せん妄/尿閉/口渇:抗コリン(オキシブチニン)
  • 食事低下時の低血糖:SU薬
  • 転倒後の出血:抗凝固薬
  • 腎機能悪化・出血:NSAIDs、脱水

ワークシート(記入用)

1 観察(事実)
  • 患者背景(妊娠/年齢/体重/腎肝機能):____
  • 薬(名前/開始・増量/最終投与):____
  • 症状の変化(いつから/どう変化):____
2 判断
  • いま最優先の危険:____
  • 根拠:____
3 報告(SBAR)
  • S:____
  • B:____
  • A:____
  • R:____

小テスト(例)

  1. 妊娠中の薬で「リスクとベネフィット」で考える理由を1つ。
  1. 小児で投与誤差を防ぐ確認項目を1つ。
  1. 高齢者でCrが正常でも腎機能低下を見落とす理由を1つ。
  1. ポリファーマシーで問題になる要素を1つ。