抗菌薬|βラクタム系

抗菌薬|βラクタム系

細菌の細胞壁合成を阻害して殺菌的に作用する抗菌薬群(ペニシリン系、セフェム系、カルバペネム系、モノバクタム系など)。臨床ではまず「感染臓器」「起因菌の想定」「腎機能(用量調整)」「アレルギー歴」を押さえる。副作用として薬疹や下痢が多く、重症例ではアナフィラキシーや重症薬疹、腎機能低下時の神経毒性(意識変容・けいれん)にも注意する。

分類(この薬効群で使う軸)

実務では系統(ペニシリン/セフェム世代/カルバペネム/モノバクタム)と、抗菌スペクトラム(グラム陽性・陰性、嫌気性、緑膿菌)で整理する。

分類の例(必要な段だけ残す)

ペニシリン系

  • 代表薬:アンピシリン、ピペラシリン(例)
  • 特徴:系統によりスペクトラムが異なる。βラクタマーゼ阻害薬配合(例:ABPC/SBT、TAZ/PIPC)で広域化する。アレルギー(発疹〜アナフィラキシー)に注意。

セフェム系(世代で整理)

  • 代表薬:第1世代(セファゾリン)、第3世代(セフトリアキソン)、第4世代(セフェピム)など
  • 特徴:世代が上がるほどグラム陰性菌カバーが広がる傾向。緑膿菌カバー有無や髄液移行性など、薬剤ごとの差が大きい。

カルバペネム系

  • 代表薬:メロペネム(例)
  • 特徴:広域(嫌気性も含む)で重症感染に用いられる。耐性菌対策として適正使用が重要。腎機能低下では用量調整し、けいれん等の神経症状に注意。

モノバクタム系

  • 代表薬:アズトレオナム(例)
  • 特徴:主にグラム陰性菌に。βラクタムアレルギーの状況で選択肢になることがある(ただしアレルギー評価は個別に)。

安全性の要点(まず押さえる)

  • 最重要リスク:アナフィラキシー(呼吸困難、喘鳴、血圧低下、全身じんましん)
  • 次に重要:重症薬疹(SJS/TEN、DIHS/DRESS など)、腎機能悪化(薬剤・病態により)、C. difficile関連下痢
  • 高齢者での注意:腎機能低下→血中濃度上昇→神経症状(せん妄、けいれん)に注意。下痢による脱水・転倒も起こりうる。
  • 腎機能/肝機能:多くが腎排泄で用量調整が必要。尿量、Cr/eGFRを定期確認。
  • 相互作用(併用注意):抗菌薬全般でワルファリン等の影響が出ることがある。カルバペネム系は一部薬剤との相互作用に注意(例:バルプロ酸の血中濃度低下など)。

注意するタイミング(典型)

  • 初回投与時/開始早期:アレルギー症状(発疹、掻痒、咳、喘鳴、呼吸苦、血圧低下)
  • 投与中:下痢(頻回、血便、発熱)→C. difficile疑い、脱水
  • 腎機能低下時:意識変容、せん妄、けいれん(神経毒性)/用量調整の要否
  • 高用量・長期使用時:肝腎機能、血算(薬剤による)、二次感染・耐性菌

Evidence / Reference(任意)

  • ガイドライン:感染症診療ガイドライン(疾患別)、抗菌薬適正使用関連資料
  • 添付文書:各薬剤の添付文書(警告・重要な基本的注意、用法用量、相互作用)
  • 参考リンク: