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PPI(プロトンポンプ阻害薬)と消化性潰瘍治療

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症例
55歳男性。
心窩部痛と黒色便を主訴に来院。
上部消化管内視鏡検査で十二指腸潰瘍と診断された。
ヘリコバクター・ピロリ菌が陽性であった。
医師はランソプラゾール(PPI)2種類の抗菌薬による
除菌療法を開始した。
PPIが消化性潰瘍治療に使用される理由として最も適切なものはどれか。
胃酸分泌の最終段階であるプロトンポンプを不可逆的に阻害し、強力に胃酸分泌を抑制するため
PPIは壁細胞のH⁺/K⁺-ATPase(プロトンポンプ)を不可逆的に阻害する薬である。
胃酸分泌の最終段階を直接ブロックするため、最も強力な酸分泌抑制作用を持つ。
 
PPI服用 ↓ 壁細胞のプロトンポンプを不可逆的に阻害 ↓ H⁺(水素イオン)の分泌が強力に抑制 ↓ 胃内pHが上昇(酸性度が低下) ↓ 潰瘍部位の治癒が促進
 
ピロリ菌除菌療法(3剤併用):
  • PPI(ランソプラゾール等)+ アモキシシリンクラリスロマイシン
  • PPIは胃内pHを上昇させ、抗菌薬の効果を高める役割もある
  • 7日間の服用で除菌率は約70〜80%
ピロリ菌を直接殺菌するため
PPIには直接的な殺菌作用はない。ピロリ菌の殺菌は抗菌薬(アモキシシリン・クラリスロマイシン)の役割である。PPIは胃酸抑制により抗菌薬の効果を高める。
胃粘膜を直接保護するため
PPIは胃酸分泌を抑制する薬であり、直接粘膜を保護する薬ではない。粘膜保護薬としてはスクラルファートやレバミピドなどがある。
消化管の蠕動運動を促進するため
PPIには蠕動運動促進作用はない。蠕動運動促進にはモサプリドやメトクロプラミドなどが使用される。
胃酸分泌抑制薬の種類と作用の違いは?
  • PPI(プロトンポンプ阻害薬):H⁺/K⁺-ATPaseを不可逆的阻害。最も強力。ランソプラゾール、オメプラゾール、エソメプラゾールなど
  • P-CAB(カリウムイオン競合型酸ブロッカー):ボノプラザン。PPIより速効性・強力。除菌率向上
  • H₂ブロッカー:ヒスタミンH₂受容体を拮抗。ファモチジン、ラニチジンなど。PPIより作用が弱い
  • 制酸薬(抗酸薬):胃酸を直接中和。即効性だが持続時間が短い
  • PPIは空腹時に服用し、食事の刺激でプロトンポンプが活性化されたところに作用する