目薬の使い方
点眼剤
点眼剤(目薬)とは、結膜嚢に滴下して使う薬です。
患部に、直接薬を落として効果を発揮させるため、のみ薬と比較して、全身性の副作用の危険性が少なく使うことができます。
目薬を使っている人で、正しく点眼できている人は半分以下とも言われています。
目薬は怖いと感じるお子さんも多いので、保護者の皆様も大変に感じていらっしゃるのではないでしょうか。
手を清潔にして使いましょう
使用方法
基本的な方法
- 下まぶたを軽く引いて、あっかんべーしたところに、目薬を1滴落とします。
- 目薬をさした後は、しばらく、目をつぶりましょう。
- 目頭の辺りをそっと押さえて、しばらくの間、閉眼するのが望ましいです
- 周りの皮膚にこぼれた薬液は、ティッシュなどで優しく拭き取りましょう。
目薬をさすコツ
泣いている時に点眼しても、薬が目から押し出されてしまいます。
目薬には、いくつかのコツがあります。この中のどれかの方法が、お役に立つと嬉しいです。
できるだけ近くから目薬を落としましょう
高いところから落とすと怖く感じるので、目の近くから、目薬を落としましょう。
ただし、まつ毛などに目薬の先が当たらないようにご注意ください。
目尻の方から落としましょう
軽く横を向かせて、目尻のところから落としましょう。
視界に入りにくいので、恐怖を感じにくいと思います。
目をつぶった状態で
目薬をさす時に、どうしても目をつぶってしまう場合、目をつぶった状態で、目頭のあたりに目薬を落としましょう。その状態で、そっと目を開けると、目薬が入ります。
事前に、顔を洗って、目の周囲の皮膚を綺麗にしておきましょう。
寝ている時にこっそりと
どうしても目薬が怖い場合は、本人が寝ている隙に、こっそり点眼する方法があります。
寝ている時に、目頭付近に目薬を落とし、そっと下瞼を引きましょう。すると、目の中に目薬が入っていきます。
その後、あふれた薬液は拭き取りましょう。
してはいけません
点眼剤の先が、まつ毛や周囲の皮膚に触れないようにしましょう
点眼剤は無菌環境で製造された、非常に清潔な製剤です。細菌汚染を防ぐ使い方が大切です。
点眼後は、パチパチ瞬きをしないようにしましょう
瞬きをすると、目の中に広がりそうに思えますが、そうではありません。
瞬きをすると、点眼薬は、涙が通る管を通って、鼻中に流れ出てしまいます。
保管方法
何度で保管する?
特別に指示がない場合は、室温で保管することが可能です。
抗アレルギーの点眼剤など、冷蔵庫で冷やしておくと、使用感がいいので(痒みもおさまる感じがするので)、好んで冷蔵庫に保管される方もいらっしゃいます。
ただし、刺激のある目薬の場合、室温に戻してから点眼することで、刺激を減らすことができます。
袋に入れないといけないの?
一部の薬では、薬の成分が光で分解されないように、遮光袋が添付されています。薬の効き目が続くように、遮光袋には必ず入れてください。
保管時の注意
揮発性がある物の近くに保存しないように気をつけてください。
近くに湿布薬、殺虫剤・洗剤などを保管しておくと、揮発した成分が、浸透する危険性がありますので、保管場所にはお気をつけください。
また、同じ理由で、点眼薬の瓶に直接油性ペンで文字を書かないようにしてください。
使用期限
製品に使用期限が記載されていますが、これは、未開封状態での使用期限です。
医療用医薬品:開封後1ヶ月
医療用医薬品の場合、概ね、使用方法通りにすると、
1ヶ月で使い切るように作られています。
市販用医薬品:開封後3ヶ月
ドラッグストアなどで購入可能な、市販用医薬品の点眼剤の場合、概ね、3ヶ月で使い切るように作られています。
ただし、使用期間内であっても、容器の中に浮遊物や濁りなどがある場合は、使用しないでください。
○例外
1回使い切りの製剤
1回使い切りの製剤があります。
中に残っていても、保管せず、廃棄してください。
保存料が添加されていないので、開封後、保管することができません。
フライヤー:「目薬のさし方」 →
参考資料
目薬の使い方
公益社団法人 東京医薬品工業協会 点眼剤研究会、関西医薬品協会 点眼剤研究会が作成した資料です。一般の方向けに、「目薬の使い方」をまとめています。