抗RANKL抗体薬
抗RANKL抗体薬
RANKL, Receptor activator of NF-κB ligand
特長:
骨形成の低下が著明な骨粗鬆症の治療
がんの骨転移にも使われる
作用機序
- 骨芽細胞は RANKL を産生し、破骨細胞に対して、骨破壊に関する信号伝達を行う
- 抗RANKL抗体の薬理作用
- 骨粗鬆症の治療薬
- 破骨細胞の働きを抑制する
- がん骨転移による骨病変の治療薬
- がん細胞に直接作用して抑制
- 破骨細胞を介して、骨破壊を抑制する
薬剤名
抗RANKL抗体薬
- デノスマブ(遺伝子組換え)(Dmab)
- プラリア (R) 皮下注:骨粗鬆症・骨びらん(RA)
- ランマーク (R) 皮下注:がん
(適応症が違う2種類の製剤がある)
デノスマブ(遺伝子組換え)(プラリア (R) 皮下注)
- 効能又は効果:骨粗鬆症、関節リウマチに伴う骨びらんの進行抑制
- 用法:
- 〈骨粗鬆症〉デノスマブ(遺伝子組換え)として60mgを6ヵ月に1回、皮下投与
- 副作用:低カルシウム血症
- 対策:
6ヶ月か3ヶ月に1回注射→治療の継続
代表的な副作用
低カルシウム血症
- 薬理作用として、血中のカルシウムを使って骨を増やすため、結果として、低カルシウム血症をきたす可能性がある
- 対策:
- 投与開始前に必ず血清カルシウムを測定
- 投与中は、カルシウム・ビタミンDを補充する
- カルシウム
- 天然型ビタミンD
- マグネシウム・・カルシウム代謝を調節
沈降炭酸カルシウム・コレカルシフェロール・炭酸マグネシウム(デノタスチュアブル配合錠)
デノタスにはビタミンDも含有するので、他の活性型ビタミンD製剤と重複しないように
骨に良いようにとカルシウムサプリメントを自己判断でとっていないか確認
- 初期症状
- 手足や口の周りで感じるしびれやチクチク感
- 顔や手の筋肉の痙攣
- 全身の筋力の低下や疲れやすさ
- 情緒不安定やイライラなどの精神面での異常
カルシウムに注意を払う必要があるので、自己判断で治療以外でカルシウムサプリメントをとらないように(医師の指示通りにする)
顎骨壊死
- まれな副作用だが、発生すると重篤
侵襲的な歯科処置や局所感染と関連して生じるため、予防のためには、
- 歯科受診をするときには、服薬中であることを必ず伝える
- 普段から口腔清潔に努める
注射後の反応
- 投与部位の痛み
- 対策:室温に戻してから皮下注
マルモの観点から
- 腎機能
- 重度腎機能障害)ビタミンD活性化機能が障害されている可能性があるので、より低カルシウム血症に注意が必要