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ビスホスホネート製剤

ビスホスホネート製剤(BP製剤)

特長:
骨粗鬆症による骨折を予防する効果がある
用法が特殊
 

作用機序

  • 破骨細胞による骨吸収を抑制することで、骨密度の低下を抑制し、骨折を予防する
  • ステロイド製骨粗鬆症の予防にも用いられる
 

薬剤名

ビスホスホネート
(BP製剤)
エチドロン酸(ダイドロネル錠200)
アレンドロン酸(フォサマック・ボナロン)
  • [5mg錠]1日1回、毎日服用
  • [35mg錠]1週間に1回
  • [900μg点滴静注]4週間に1回
リセドロン酸(アクトネル錠)
  • [2.5mg錠]1日1回、毎日服用
  • [17.5mg錠]1週間に1回
  • [75mg錠]月1回
ミノドロン酸(ボノテオ・リカルボン)
  • [1mg錠]1日1回、毎日服用
  • [50mg錠]4週間に1回
イバンドロン酸(ボンビバ)
イバンドロン酸ナトリウム水和物
  • [100mg錠]月1回
イバンドロン酸ナトリウム水和物
  • [静注1mgシリンジ]1カ月に1回、静脈内投与
  • 投与期間の上限は、添付文書には記載されていない
薬効群内の比較:
  • 骨折予防のエビデンスが最も豊富なのが、アレンドロン酸
  • 剤形や用法の違いが選択肢となる
  • ステロイド性骨粗鬆症の予防のためにBP製剤を用いる場合、第一選択は、アレンドロン酸・リセドロン酸(ステロイド製骨粗鬆症の管理と治療ガイドライン:2014年改定版)

特徴

  • 経口服用時、腸管から吸収され、血液中に移行する割合がごくわずか(数%)
    • 吸収が阻害されないようにするために、起床時に服用
    • 服薬後、30分程度は、水以外は摂取不可
    • ➕α
      ミネラルウォーターは、硬度が高いため❌
      水道水で服用する
  • 粘膜に付着すると、炎症を引き起こす可能性がある
    • コップ1杯の水で服用する(服薬時の水が少ないと残薬につながる)
    • 服薬後、30分程度は、横にならずに、上体を起こしておく
    • ➕α
      • 横にならなければ大丈夫
      • 動いておかないといけない、と誤解されることがある
      • 原則、錠剤を粉砕してはいけない(成分が粘膜に付着し、炎症を引き起こす可能性があるため)
 
  • 服薬方法が特殊であるが、正しく服薬することが重要
  • アドヒアランス向上のため、当初は1日1回連日服用だったが、用法が工夫されている
    • 連日服用
    • 週1回服用
    • 月1回服用
 

代表的な副作用

食道の炎症や狭窄
  • 粘膜に付着すると、炎症を引き起こす可能性がある
顎骨壊死
 
BPを長期間・高用量使用した時に起こる可能性がある副作用
まれな副作用だが、発生すると重篤
侵襲的な歯科処置や局所感染と関連して生じるため、予防のためには、
  • 歯科受診をするときには、服薬中であることを必ず伝える
  • 普段から口腔清潔に努める
ことが重要である。
薬剤と発症の関連として、累積投与量があるので、副作用を予防する目的で、ドラッグホリデーを設ける場合がある(休薬期間)

マルモの観点から

  • 腎排泄型薬剤