ARB
ARB
アンジオテンシン受容体拮抗薬
特長:
昇圧物質作用を阻害し、血圧降下作用を発揮する
作用機序

液性昇圧系:レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系
アンジオテンシンⅡの受容体への結合を阻害する
- 血圧低下
- 体液量増加を抑制
薬剤名
適応症
高血圧症 | 高血圧及び蛋白尿を伴う2型糖尿病における糖尿病性腎症 | 腎実質性高血圧症 | 慢性心不全(軽症~中等症) | |
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ロサルタン | ○ | ○ | ||
カンデサルタン | ○ | ○2,4,8,12mg錠 | ○2,4,8mg錠 | |
バルサルタン | ○ | |||
テルミサルタン | ○ | |||
オルメサルタン | ○ | |||
イルべサルタン | ○ | |||
アジルサルタン | ○ (先発は小児適応あり) |
類薬
ACEi
ARNI
直接レニン阻害薬
マルチモビディティを考慮
肝機能
- テルミサルタン:唯一、完全肝代謝型
PK 特徴
代謝 | ||
---|---|---|
ロサルタン | CYP2C9 CYP3A4 | 肝代謝・腎排泄 |
カンデサルタン | カルボキシルエステラーゼ 一部、CYP2C9 | 肝代謝・腎排泄 |
バルサルタン | 未変化体 一部、CYP2C9 | 肝代謝・腎排泄・胆汁中排泄 |
テルミサルタン | UGT酵素 (グルクロン酸抱合) | 肝代謝・胆汁中排泄 |
オルメサルタン | エステラーゼ | 肝代謝 |
イルべサルタン | CYP2C9 グルクロン酸抱合 | 肝代謝・胆汁中排泄 |
アジルサルタン | 肝代謝 |
禁忌事項など
妊婦・妊娠可能性
女性への降圧薬選択時には、妊娠の希望を確認した上で、選択する(ACEi、ARBは避ける)
- 妊娠初期:胎児奇形
- 妊娠中期・後期:胎児毒性(羊水過少症をはじめ)
手術前
添付文書には、急激な血圧低下を起こすことがあるため、手術前には投与しない方が望ましい旨記載されているが、患者背景や手術内容に応じて判断される
手術予定があると患者から聞いた際には、飲んでいる薬を伝えているか確認するとともに、必要に応じて情報提供する
手術前の休薬推奨
手術前の休薬推奨 | |
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ロサルタン | 24時間前 |
カンデサルタン | 24時間前 |
バルサルタン | 24時間前 |
テルミサルタン | 24時間前 |
オルメサルタン | 24時間前 |
イルべサルタン | 24時間前 |
アジルサルタン | 24時間前 |
代表的な副作用
血圧低下
めまい・ふらつき
高K血症
シックデイ
低血圧
血圧低下時の対処が必要な場合があるので、個別に対応
トリプルワーミー
- RAS阻害薬
- 利尿薬
- NSAIDs
RAS阻害薬+利尿薬使用中の患者には、NSAIDsをできるだけ回避
腎障害予防のため、脱水予防
シックデイの時、休薬が必要なこともあるので、あらかじめ対応を確認しておく