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注意が必要な一般名処方/タクロリムス内用薬

タクロリムス製剤が一般名処方されているときに、注意すべき点は何ですか?
A: タクロリムス製剤には、徐放性製剤と普通製剤があり、適応症も違いますので、見分けることが必要です。
 

一般名処方とは

処方せんに記載する名称は、薬価基準に収載されている品名を書くほか、一般的名称に剤形及び含量を付加して記載する(以下「一般名処方」)ことも可能です。
一般名処方の標準的な記載(一般名処方マスタ)は、厚生労働省のページで公開されています。

一般名処方の医薬品を調剤する時の注意点

薬局では、一般名処方された医薬品から、どの薬剤を調剤したら良いかを判断します。
一般名コードは、薬価基準収載医薬品コードの上9桁に続いて、「ZZZ」の3桁がつけられています。
一般名処方の場合、基本的に、この薬価基準収載医薬品コードの上9桁が共通する医薬品を調剤することが可能です。

注意が必要な一般名処方

タクロリムス内用薬

タクロリムス水和物の内用薬には、徐放性製剤普通製剤の2種類があります!
徐放性製剤と普通製剤を取り違えて調剤した事例も発生しているため、今一度確認をしましょう。
  • グラセプターカプセル:徐放性製剤、後発医薬品はない
区分一般名コード品名製剤特徴
内用薬3999014N1028グラセプターカプセル0.5mg徐放性
3999014N2024グラセプターカプセル1mg徐放性
3999014N3020グラセプターカプセル5mg徐放性
  • プログラフカプセル:普通製剤、後発医薬品あり
区分一般名コード一般名/品名製剤特徴
内用薬3999014M2ZZZ【般】タクロリムスカプセル0.5mg
3999014M1ZZZ【般】タクロリムスカプセル1mg
3999014M3ZZZ【般】タクロリムスカプセル5mg
内用薬3999014M2029プログラフカプセル0.5mg
3999014M1022プログラフカプセル1mg
3999014M3025プログラフカプセル5mg
薬効分類番号を見ると、一般名処方の「【般】タクロリムスカプセル」に該当するのは、「プログラフカプセル」の方だけであることがわかります。
一般名処方で、「【般】タクロリムスカプセル」が出されていたときに ・調剤できる「プログラフカプセル」 ・調剤できない:「グラセプターカプセル」
薬効分類番号は、下記のようなルールでつけられています。
  • 1〜4桁目:薬効分類番号
  • 5〜7桁目:投与経路及び成分
  • 8桁目:剤型
  • 9桁目:8桁目までが共通な薬については、その規格単位を区別するための番号を付号
  • 10〜12桁目はチェックコードなどのため、省略
一般名処方の場合、最初の9桁までが共通の薬剤を調剤することが認められています。
タクリリムス水和物の、徐放性製剤と普通製剤は、製剤特性が違いますし、適応症も異なります。
 
取り違いの注意については、2020年に製薬企業から注意文書が発出されていますが、引き続き取り違え事例が発生していることから、2023年11月に再度注意喚起文書が出されましたこともありますので、再度確認しておきましょう。