小児薬用量換算式の比較
小児薬用量換算式の比較
乳児〜幼児
- 乳児の身体計測値(身長・体重)
「平成22年度乳幼児身体発育調査」(厚生労働省)のデータを参照
月齢:「1月〜2月」の計測値を、月齢2月、というように記載
身体計測値:50パーセンタイル値を使用
- 小児薬用量換算式
- Fried 式(1歳未満の乳児)
- Augsberger 式(満1歳以上)
①上述の乳児の身体計測値(男児)から、各換算式を用いて、乳児〜小児の薬用量を算出した。
(成人薬用量を1としたときの比として算出した)
↓グラフにプロット
![](https://s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/wraptas-prod/ph-info/a0292437-4537-465e-bd3f-8642fa5995ec/36fc1b05d712e99863bd37dd19425838.png)
- 体表面積
- 藤本の式・乳児期(0歳台):グラフ中には①と記載
- 藤本の式・幼児期(1〜5歳台):グラフ中には②と記載
- DuBois 式
①上述の乳児の身体計測値(男児)から、体表面積を算出した。
②国民健康・栄養調査(2019年)の、20歳以上・男性の身体計測値(167.7cm, 67.4kg)を用いて、成人体表面積を算出した。
③乳児〜幼児の体表面積を、成人体表面積を1とした時の比として算出した。
↓グラフにプロット
![](https://s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/wraptas-prod/ph-info/813d58b4-383d-4a04-8602-04710a7d87cc/999a7ac160965338fae3d14dd496cdc5.png)
- 換算式の比較
①「小児薬用量」の成人に対する比、「体表面積」の成人に対する比、を同一グラフにプロットした。
それぞれ、成人に対する比を算出したものを比較した。Augsberger Ⅱ 式で算出した小児薬用量は、DuBois 式で算出した体表面積の比と、よく一致していた。(体表面積をもとにした換算式であるため当然ではある)
なお、参考までに体重比も同一グラフにプロットした。成人体重を1としたときの比としたときの、乳児〜小児の体重比を見ると、体表面積比よりも小さく、単純に体重比として薬用量を算出すると、過小投与につながることもわかる。
![](https://s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/wraptas-prod/ph-info/5f84c216-5874-4205-84b6-a66a719032d0/d87d400a30526666fe58bed0f168b85f.png)
小児
2歳から15歳まで
- 小児薬用量換算式
![](https://s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/wraptas-prod/ph-info/22079338-35fb-438f-bce8-183c150c1bb5/8a8b42fb168a1e82245149000649ed33.png)
臨床では、疾患重篤度や身体機能を考慮したうえで、患者様個々の、その時の状態に応じて薬用量が決められるべきである。ここに示したのは、あくまでも、換算式の比較であり、「この通りにしなければならない」ことを示しているわけではありません。