微小管阻害薬

微小管阻害薬

① 薬効群の概要

微小管(チューブリン)の動態を阻害して紡錘体形成を障害し、有糸分裂(M期)を停止させる細胞障害性抗がん薬。タキサン系とビンカアルカロイドを中心に、多くのがん種で使用される。
  • 微小管阻害薬は主に M期(有糸分裂) に作用しやすい
  • 代表的な有害事象:骨髄抑制、末梢神経障害、脱毛(薬剤差あり)
  • タキサン系=微小管の脱重合阻害(安定化)、ビンカ系=微小管の重合阻害

② 作用機序(主な分類)

  • タキサン系:微小管の脱重合を阻害 → 過剰に安定化 → 紡錘体機能障害
  • ビンカアルカロイド:微小管の重合を阻害 → 紡錘体形成不全
  • (関連)エリブリン:微小管の伸長を阻害(薬剤特性あり)

③ 代表薬

タキサン系

  • パクリタキセル
  • ドセタキセル
  • nab-パクリタキセル など

ビンカアルカロイド

  • ビンクリスチン
  • ビンブラスチン
  • ビノレルビン など

その他

  • エリブリン
 
分類代表薬ポイント(例)
タキサン系パクリタキセル、ドセタキセル末梢神経障害、骨髄抑制。パクリタキセルは過敏反応、ドセタキセルは体液貯留が論点。
ビンカアルカロイドビンクリスチン など末梢神経障害、便秘/麻痺性イレウス。血管外漏出に注意。髄腔内投与は致死的(医療安全)。
エリブリンエリブリン微小管伸長阻害。末梢神経障害、骨髄抑制など。

④ 観察・指導ポイント(共通)

  • 骨髄抑制:発熱(FN)、出血傾向、倦怠感
  • 末梢神経障害:しびれ、痛み、巧緻運動低下、歩行障害(転倒)
  • 投与時反応(タキサン系など):皮疹、呼吸困難、血圧低下
  • 便秘・イレウス(ビンクリスチン等):排便状況、腹部膨満、嘔吐
  • 血管外漏出:疼痛、発赤、腫脹(投与中〜後)
⚠️
微小管阻害薬は 骨髄抑制末梢神経障害 が重要。発熱(目安:38℃以上)、しびれの悪化、便秘・腹部膨満、投与中の違和感(痛み・腫れ)は早めに報告。