NSAIDs 潰瘍

臨床でよく遭遇すること:薬剤性消化性潰瘍

NSAIDs 潰瘍
 

NSAIDs 潰瘍とは?

NSAIDs潰瘍(NSAIDs起因性潰瘍)とは、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬:痛み止め・解熱薬)を使うことで胃や十二指腸の粘膜が傷つき、潰瘍(えぐれる傷)やびらん、出血が起こる状態のことです。

どうして起こる?

主に2つの作用が重なります。

胃粘膜を守る仕組みが弱くなる(プロスタグランジン低下)

NSAIDsはCOX(シクロオキシゲナーゼ)を阻害しますが、その結果、胃粘膜の防御(粘液・重炭酸分泌、血流など)に関わるプロスタグランジンが減って、傷つきやすくなります。

薬そのものが粘膜を刺激する

一部のNSAIDsは局所的にも胃粘膜を荒らしやすいです。

症状は?

  • みぞおちの痛み、胃もたれ、胸やけ
  • 吐き気
  • 黒い便(タール便)、吐血、貧血症状(ふらつき)など(出血がある場合)
※注意点として、症状があまり出ないまま出血していることもあります(特に高齢者など)。

よく問題になるケース(リスクが高い人)

  • 高齢
  • 潰瘍の既往
  • 複数のNSAIDs併用、または高用量
  • ステロイド、抗血小板薬(例:アスピリン)、抗凝固薬など併用
  • ピロリ菌感染(疑い含む)
  • 重い持病(心・腎など)や飲酒・喫煙

予防・対策は?

  • NSAIDsが必要なときは最小用量・最短期間
  • リスクが高い場合はPPI(胃酸を強力に抑える薬)などで予防を検討
  • 「痛み止めだから安全」と思って自己判断で長期連用しない
  • 黒い便・吐血・強い胃痛があれば受診を急ぐ