更年期障害
治療
| 治療法 | 内容 | 適応 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| エストロゲン製剤(HRT) | エストロゲン補充(経皮剤が第一選択)。子宮ありはプロゲステロン併用 | ホットフラッシュ・発汗に最も有効。骨密度維持にも有効 | 血栓症・乳癌リスク。乳癌既往は禁忌 |
| 漢方薬 | 当帰芍薬散・加味逍遙散・桂枝茯苓丸など | HRTが使えない場合や、軽症例。不定愁訴が多い場合 | 副作用は少ないが、効果発現に時間がかかることも |
| SSRI・SNRI | パロキセチン・デュロキセチンなど | 拑うつ症状が強い場合。HRTが禁忌の場合のホットフラッシュにも有効 | 投与初期の悪心・自殺念慮に注意 |
| エストリオール膣錠 | 局所的エストロゲン補充 | 膣乾燥・性交痛・萎縮性膣炎 | 全身性副作用は極めて少ない |
| カウンセリング・心理療法 | 認知行動療法など | 精神症状が主体の場合 | 薬物療法との併用が効果的 |
HRTの投与方法
- 子宮あり:エストロゲン + プロゲステロン併用(子宮内膜癌予防)
- 持続的併用法(毎日両方投与)または周期的併用法
- 子宮なし(全摘術後):エストロゲン単独でOK
- 剤形:経皮剤(エストラーナ®)が血栓リスクが低く第一選択
看護師向け:観察・指導ポイント
🌡️ 症状の観察・評価
- ホットフラッシュの頻度・程度・生活への影響
- 睡眠状態(不眠の有無・中途覚醒)
- 気分の変動(抑うつ・不安・イライラ)
- SMI(簡略更年期指数)による定期的な評価
💊 HRT使用時の観察
- 血栓症の兆候:下肢の痛み・腫脹・息切れ・胸痛があれば直ちに受診
- 不正出血:初期は多いが、持続する場合は子宮内膜評価が必要
- 乳房の張り・痛み:初期に多い。多くは一過性
- 乳癌検診の勧奨(年1回のマンモグラフィー)
- 経皮剤使用時:貼付部位の皮膚トラブル(かぶれ・かゆみ)の観察
⚖️ 患者教育・心理的サポート
- 更年期は自然なライフステージの変化であり、病気ではないことを伝える
- ただし、症状が強ければ治療で改善できることも伝える
- 「我慢するもの」という意識を変える・相談しやすい環境づくり
- 家族(特にパートナー)への理解促進
💊 服薬アドヒアランス
- HRT:利益(症状改善・骨保護)とリスク(血栓・乳癌)を患者と共有
- 漢方薬:効果発現に時間がかかることを説明(2〜4週間)
- 定期的に治療の継続・変更の必要性を再評価
🌿 生活指導
- 運動:有酸素運動(ウォーキング等)が症状改善・骨密度維持に有効
- 食事:カルシウム・VitD・大豆イソフラボンの摂取
- 禁煙:血栓リスク低減・骨密度保護
- ストレス管理:リラクゼーション・趣味・社会参加
- 十分な睡眠:睡眠衰生の改善(寝室環境・規則的な生活リズム)
- ホットフラッシュ対策:重ね着で調節・冷やしタオル・カフェイン・アルコール・香辛料を避ける