副甲状腺ホルモン(PTH)製剤
副甲状腺ホルモン(PTH)またはその活性断片を間歇的に投与することで、骨芽細胞を活性化し骨形成を促進する薬剤。重症骨粗鬆症や骨折リスクが高い患者に使用される。
- PTHは持続的に高値だと骨吸収を促進するが、間歇的(パルス状)に投与すると骨形成が優位になる(アナボリックウィンドウ)
- 骨芽細胞の分化・活性化を促進 → 骨形成↑
- 骨芽細胞のアポトーシスを抑制 → 骨芽細胞の寿命延長
- 結果として骨密度の大幅な上昇・骨強度の改善・骨折リスクの低減
- 注意:投与中止後は骨密度が低下するため、後続治療(BP製剤やデノスマブ)への切り替えが必要
| 代表薬(一般名) | 先発品例 | 特徴 |
|---|---|---|
| テリパラチド(PTH(1-34)) | フォルテオ®・テリボン® | 毎日皮下注射(フォルテオ®)または週1回皮下注射(テリボン®)。使用期間は最镲24ヶ月。椎体・非椎体骨折のリスク低減 |
| アバロパラチド(PTH(1-34)アナログ) | オスタバロ® | 月1回皮下注射。使用期間は最镲18ヶ月。通院での投与が可能でアドヒアランス向上 |
| 薬剤 | 作用 | 位置づけ |
|---|---|---|
| ビスホスホネート製剤 | 骨吸収抑制 | 第一選択薬。幅広い骨折抑制エビデンス |
| 抗RANKL抗体 | 骨吸収抑制 | 第一選択薬。中止後のリバウンドに注意 |
| 骨吸収抑制 | 閉経後女性の椎体骨折予防。VTEに注意 | |
| PTH製剤 | 骨形成促進 | 重症例・骨折リスク高い例に使用。使用期間制限あり。後続治療が必要 |
- 高カルシウム血症:PTHの薬理作用による。投与後の血清Ca値モニタリングが必要
- 悪心・頭痛・めまい:投与直後に起こりやすい。一過性のことが多い
- 起立性低血圧:投与直後の血圧低下に注意。投与後しばらく座位で安静
- 使用期間制限(極めて重要):テリパラチドは最镲24ヶ月、アバロパラチドは最镲18ヶ月。動物実験で骨肉腫(ラット)の発生が報告されたため
- 中止後の骨密度低下:PTH製剤中止後は骨密度が低下するため、後続治療(BP製剤やデノスマブ)への切り替えが必要
- 禁忌:高カルシウム血症、骨パジェット病、原発性副甲状腺機能亢進症、骨肉腫・骨転移、小児の骨端線未閉鎖例
- 自己注射指導(フォルテオ®)→ 毎日の皮下注射手技(腹部・大腿)、ペン型デバイスの操作方法、廃棄方法を丁寧に指導
- 投与直後の観察 → 悪心・めまい・起立性低血圧の有無。投与後しばらく座位で安静を指導
- 血清Ca値のモニタリング → 高カルシウム血症の徴候(口渇・多尿・倦怠感・食欲不振・悪心)
- 使用期間の管理(極めて重要)→ テリパラチドは最镲24ヶ月、アバロパラチドは最镲18ヶ月。投与開始日と終了予定日を明確に管理
- 中止後の後続治療の確認 → PTH製剤中止後はBP製剤やデノスマブへの切り替えが必要。患者に事前に説明
- 保管管理 → フォルテオ®は冷蔵保存(2〜8℃)。テリボン®は室温保存可
- アドヒアランスの確認 → フォルテオ®は毎日の自己注射が必要で負担が大きい。アバロパラチド(月1回)やテリボン®(週1回)はアドヒアランスの面で有利
- 転倒予防の指導 → 骨粗鬆症患者は転倒による骨折リスクが高い