薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 共有すべき事例 2023年 No. 7

薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業
公益財団法人 日本医療機能評価機構:「薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 共有すべき事例 2023年 No. 7」
参照元)公益財団法人日本医療機能評価機構 (URL)
 
事例1)〔調剤〕薬剤の選択間違い
ヤーズフレックス配合錠(実薬28錠)
【般】ドロスピレノン・エチニルエストラジオール(プラセボ無)
 
ヤーズ配合錠(実薬24錠+プラセボ4錠)
【般】ドロスピレノン・エチニルエストラジオール(プラセボ有)
 
事例2)〔疑義照会・処方医への情報提供〕薬剤変更提案時の用量換算
グルコンサンK錠5mEq 1日4錠 (20mEq)
アスパラカリウム錠300mg 1日4錠(1.8mEq/錠×4=7.2 mEq)
※グルコンサンKからアスパラカリウムに切り替える際には、mEq数の約4割を目安に開始すること
 
事例3)〔疑義照会・処方医への情報提供〕相互作用
(医療機関A)アナストロゾール錠1mg
 ・・・乳がん術後の薬物療法のため
(医療機関B)ラロキシフェン塩酸塩錠60mg「サワイ」
 ・・・骨粗鬆症治療のため
 →プラリア皮下注60mgシリンジに変更となった
 
ラロキシフェン塩酸塩錠は添付文書上、アナストロゾール錠と併用禁忌・併用注意ではないが、薬理作用・GLから併用を避けることが望ましいと考え、疑義照会に至った
 
<参考>乳癌診療ガイドライン 2022年版※(一部抜粋) 治療編 薬物療法 3.その他(特殊病態、副作用対策など)
BQ11 アロマターゼ阻害薬使用患者における骨粗鬆症の予防・治療に骨吸収抑制薬(ビスホスホネート、デノスマブ)は推奨されるか? 解説
3)その他 選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)であるラロキシフェンは閉経後女性における骨粗鬆症の治療薬として挙げられる。しかし、ATAC試験において、同様のSERMであるタモキシフェンとアナストロゾールの併用で有害事象の増加と乳癌再発抑制効果阻害の可能性が示されており、アロマターゼ阻害薬使用時のラロキシフェン併用は避けるのが妥当である。
※日本乳癌学会 編. https://jbcs.xsrv.jp/guideline/2022/y_index/bq11/ (参照2023年7月7日)