経口カリウム剤の使い分け

経口カリウム剤

塩化カリウム

(製剤例)塩化カリウム【原末】
1g中 日局 塩化カリウム   1g (カリウムとして   13.4mEq )
4. 効能・効果
○下記疾患又は状態におけるカリウム補給
降圧利尿剤、副腎皮質ホルモン、強心配糖体、インスリン、ある種の抗生物質などの連用時・低カリウム血症型周期性四肢麻痺・重症嘔吐、下痢、カリウム摂取不足及び手術後
○低クロール性アルカローシス
6. 用法・用量
塩化カリウムとして、通常成人1日2~10gを数回に分割し、多量の水とともに経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
(補足:カリウムとして、1日 26.8 mEq〜143 mEq
 
(製剤例)塩化カリウム徐放錠600mg「St」【徐放錠】
1錠中「日本薬局方」塩化カリウム600mg(カリウムとして8mEq)
※以前は、「ケーサプライ錠600mg」という名称だった
※「スローケー錠」は2019年に販売中止になった
効能又は効果
低カリウム血症の改善
用法及び用量
通常成人には1回2錠(塩化カリウムとして1,200mg)を1日2回食後経口投与する。年齢、症状により適宜増減する。
(補足:カリウムとして、1日 32 mEq
 
(製剤例)K.C.L.エリキシル(10w/v%)
塩化カリウム含量(カリウム(K)として)1mL中 0.1g [1.34mEq(52.45mg)]
効能又は効果
・下記疾患又は状態におけるカリウム補給
降圧利尿剤、副腎皮質ホルモン、強心配糖体、インスリン、ある種の抗生物質などの連用時
低カリウム血症型周期性四肢麻痺
重症嘔吐、下痢、カリウム摂取不足及び手術後
・低クロール性アルカローシス
用法及び用量
通常、成人1日20〜100mL(塩化カリウムとして2〜10g)を数回に分割し、多量の水とともに経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
(補足:カリウムとして、1日 26.8 mEq〜143 mEq
 

L-アスパラギン酸カリウム・L-アスパラギン酸マグネシウム

(製剤例)アスパラ配合錠
(1錠中)L-アスパラギン酸カリウム   75mg(K+:   0.44mEq )
(1錠中)L-アスパラギン酸マグネシウム   75mg(Mg2+:   0.52mEq )
4. 効能又は効果
下記疾患又は状態におけるカリウム補給(マグネシウム欠乏を合併している疑いのある場合) • 降圧利尿剤、副腎皮質ホルモン、強心配糖体、インスリン、ある種の抗生物質などの連用時 • 低カリウム血症型周期性四肢麻痺 • 心疾患時の低カリウム状態 • 肝疾患時の低カリウム状態 • 重症嘔吐、下痢、カリウム摂取不足及び手術後
6. 用法及び用量
原則として、L-アスパラギン酸カリウムとして1日225~750mgを2~3回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
(補足:カリウムとして、1日 1.32 mEq〜4.4 mEq

L-アスパラギン酸カリウム

(製剤例)アスパラカリウム錠300mg
1錠中 L-アスパラギン酸カリウム   300mg(K+:   1.8mEq )
(製剤例)アスパラカリウム散50%
1g中 L-アスパラギン酸カリウム   500mg(K+:   2.9mEq )
4. 効能又は効果
下記疾患又は状態におけるカリウム補給 • 降圧利尿剤、副腎皮質ホルモン、強心配糖体、インスリン、ある種の抗生物質などの連用時 • 低カリウム血症型周期性四肢麻痺 • 心疾患時の低カリウム状態 • 重症嘔吐、下痢、カリウム摂取不足及び手術後
6. 用法及び用量
L-アスパラギン酸カリウムとして、通常成人1日0.9~2.7gを3回に分割経口投与する。
なお、症状により1回3gまで増量できる。
(補足:カリウムとして、1日2.61 mEq〜7.83 mEq 1日上限 8.7 mEq)
 

酢酸カリウム

(製剤例)酢酸カリウム液
100ml中 酢酸カリウム(C2H3KO2:98.15)約38gを含む。 [酢酸カリウム38g :0.387Eq (K:15.1g)]
効能又は効果/用法及び用量
1. 下記疾患におけるカリウム補給
2. 重症嘔吐、下痢、カリウム摂取不足及び手術後
酢酸カリウムとして、通常成人1日5.7gを希釈溶液とし、3回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
(補足:カリウムとして、1日58.05 mEq
 

グルコン酸カリウム

(製剤例)グルコンサンK錠5mEq
1錠中 グルコン酸カリウム含量 1,170mg(カリウム含量 5mEq相当量/1錠中)
(製剤例)グルコンサンK錠2.5mEq
1錠中 グルコン酸カリウム含量 585mg(カリウム含量 2.5mEq相当量/1錠中)
(製剤例)グルコンサンK細粒4mEq/g
1 g 中 グルコン酸カリウム含量 937mg(カリウム含量 4mEq相当量/1g中)
4. 効能又は効果
• 低カリウム状態時のカリウム補給
6. 用法及び用量
1回カリウム10mEq相当量 1日3~4回経口投与。
症状により適宜増減する。
(補足:カリウムとして、1日30〜40 mEq
経口カリウム製剤について
 
経口カリウム製剤には、「塩化カリウム」か「有機酸カリウム」(L-アスパラギン酸カリウム、酢酸カリウム、グルコン酸カリウム)がある。
 
CQ. カリウム当量が大きく違うのはなぜか?
L-アスパラギン酸カリウムは,組織移行性及び生体内利用率の良い有機カ リウム塩であることが認められている (アスパラカリウム錠300mg・アスパラカリウム散50% IF)
塩化カリウムや乳酸カリウムよりも、L-アスパラギン酸カリウムの方が、細胞内移行率が高かったことが報告されている。製剤ごとに、組織移行性や生体内利用率を考慮して用量が設定されている。
 
CQ. カリウム製剤を変更する場合の用量換算は?
換算式はないが、常用量対比で換算した用量を、切り替え時の目安の初回用量として用いて、適切な期間内(概ね1~2週間後)に血清カリウム濃度を測定することが推奨されている。
 
常用量対比の目安
常用量対比の目安