BCRA遺伝子変異陽性
BCRA 遺伝子
BCRA (breast cancer susceptibility) 乳がん感受性遺伝子
BCRA 遺伝子を翻訳してできた BCRA タンパク質は、DNA に生じた変化を修復するタンパク質。
BCRA1 と BCRA2 がある。
BCRA 遺伝子変異があると、DNA を修復できないため、発がんにつながる。
乳がんや卵巣がん等の発がんリスクと関連する。
PARP 阻害薬
PARP(poly ADP-ribose poly- merase)
DNA損傷修復過程として、DNA 一本鎖切断と DNA 二本鎖切断に対して、それぞれ異なる修復機序がある。
- DNA 一本鎖切断
- PARP は一本鎖切断を認識し、この修復に関連する酵素
- DNA 二本鎖切断
- 相同組み換え修復(HR, HRR)
- 非相同末端再結合(NHEJ)
- 代替非相同末端再結合(alt-NHEJ)
- 一本鎖アニーリング(SSA)
DNA 二本鎖切断は、DNA 損傷の中で最も毒性が強く、染色体転座や細胞死を引き起こす。その修復機構として、上述した4つなどの経路がある。
HR は、細胞周期のS期後期→G2期において機能しており、BCRA1/2 が深く関与している。
BCRA1/2 遺伝子変異があると、PARP などによる DNA 修復が、細胞生存にとって、不可欠である。
PARP 阻害薬は、相同組み換え修復異常(HRD)がみられる腫瘍の治療薬
- BCRA1/2 遺伝子変異をもつ HBOC 関連腫瘍 など
- 生殖細胞系列に BRCA の変異を認めなくとも,HRDを認める状態(BRCAness)も治療標的になりうる
遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)
Hereditary Breast and Ovarian Cancer
- BCRA1, BCRA2 遺伝子に病的バリアントを有する
がんの既往歴に関わらず、一般的に200〜500人に1人が、HBOC に該当する