降圧薬/Ca 拮抗薬
Ca 拮抗薬のリスク
欧州の調査研究
- Ca 拮抗薬を妊娠初期に使用した妊婦299例
- 薬剤を使用しなかった妊婦の児と比較して
→先天異常発生率に差はなかった
ヨーロッパの催奇形性情報提供のネットワーク(ENTIS)に寄せられた相談事例を解析
E:妊娠初期にCa拮抗薬を使用した妊婦(299例)の児
ニフェジピン(76例)
ベラパミル(62例)
ジルチアゼム(41例)
アムロジピン(38例)
C:妊娠初期にCa 拮抗薬を使用しなかった妊婦(806名)の児
Ca 拮抗薬の影響で先天異常が増えることはなかった
早産児は多い傾向にあった(23.8% vs 6.5%)
Weber-Schoendorfer C, Reprod Toxicol (2008) [PMID: 18585452]
カナダ
- 妊娠初期に Ca 拮抗薬を使用した妊婦78例
- 薬剤を使用しなかった妊婦の児と比較して、
→先天異常発生率は増加しなかった
P:6箇所の催奇形性相談センターに相談された事例
E:妊娠初期に Ca 拮抗薬を使用した妊婦(78例)の児
C:薬剤を使用しなかった妊婦の児と比較して
→出生異常は増加しなかった 早産の傾向はあった
Magee LA, Am J Obstet Gynecol (1996) [PMID: 8633650]
日本
- 妊娠初期にアムロジピンを使用した48例
- 妊娠初期に降圧薬を使用した54例
- 降圧薬を使用しなかった129例で、先天異常発生率を比較したところ
→先天異常発生率は増加しなかった
アムロジピン vs ニフェジピン
#妊娠高血圧の治療において、アムロジピンとニフェジピンのどちらが、有効かつ安全か?
方法:システマティックレビュー、メタアナリシス
・有効性:アムロジピンの方がやや優れていた RR 1.06 (95% CI 1.02-1.10)
・母体への有害事象:アムロジピンの方が少なかった RR 0.42 (0.29-0.61)
・帝王切開・早産・胎盤早期剥離・胎児発育不全・胎児仮死・新生児仮死:差はなかった
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35305140/