irAE の参考資料
免疫チェックポイント阻害薬による免疫関連有害事象対策マニュアル
重篤副作用疾患別対応マニュアル（PMDA）
irAE 逆引きマニュアル
(irAE逆引きマニュアル ver 4.2, ©市立長浜病院呼吸器内科 野口哲男)
（作者ウェブサイト）
（つたわる君）irAE 逆引きマニュアルの患者版‥自分で問診票に記入し、医師に見せる
アストラゼネカ社の MediChannel からダウンロード可能
irAE 対策手引書
埼玉がん薬物療法研究会
Ribbons
imAEとirAE
🔹1. irAE（immune-related Adverse Event）
👉 最も一般的に使われる用語
- immune-related Adverse Event（免疫関連有害事象）
- *免疫チェックポイント阻害薬（ICI）**により免疫反応が過剰に活性化して、
自己免疫性の炎症・臓器障害を起こす副作用のことです。
- 臨床現場やガイドラインでは、基本的にこの「irAE」が標準的に用いられています。
例：
- ICIによる肺炎（pneumonitis）
- 大腸炎（colitis）
- 甲状腺炎（thyroiditis）
- 肝炎（hepatitis）など
出典例：
- ASCO, ESMO, 日本癌治療学会いずれも「irAE」を公式用語として採用。
🔹2. imAE（immune-mediated Adverse Event）
👉 薬理学的・病態生理的な側面を強調する用語
- immune-mediated（免疫介在性）＝「免疫反応によって媒介された」
- irAEよりもやや広義で、「免疫機構が関与する有害事象」全般を指す場合もあります。
- ICI以外の免疫療法（CAR-T細胞療法など）や、他の薬剤（生物学的製剤など）で
免疫メカニズムが関与する副作用を含むことがあります。
例：
- CAR-T療法後のサイトカイン放出症候群（CRS）
- 抗PD-1薬による甲状腺炎（これはirAEでもimAEでもありうる）
🔹3. まとめ表
| 項目 | irAE | imAE |
|---|---|---|
| 正式名称 | immune-related Adverse Event | immune-mediated Adverse Event |
| 日本語訳 | 免疫関連有害事象 | 免疫介在性有害事象 |
| 主な対象 | 免疫チェックポイント阻害薬（ICI） | 免疫療法全般（ICI含む） |
| 用語の使われ方 | 臨床ガイドライン・診療現場で広く使用 | 研究論文・機序説明で用いられることが多い |
| 範囲 | 比較的狭い（ICI中心） | より広い（免疫機序全般） |
🔸要するに
- *臨床現場・ガイドラインでは「irAE」**が標準用語。
- 「imAE」はより広い免疫学的機序を含む学術的な表現。
- ICIの副作用として話す場合は、「irAE」と言うのが正確です。