多形紅斑
多形紅斑
初期症状
「皮ふの広い範囲が赤くなる」「水ぶくれが皮ふの赤い部分にできる」「発熱」「くちびるや目が赤くなる」
2018年5月31日 第10回重篤副作用総合対策検討会 議事録
続いて、議題2に移ります。平成29年度のマニュアル改訂についてです。まず、資料2-1を御覧いただきまして、多形紅斑のマニュアル(案)について事務局から説明をお願いします。
○事務局 それでは、資料2-1を御覧ください。資料2-1、多形紅斑については、日本皮膚科学会より新規に作成されましたマニュアルです。本日、皮膚科学会の参考人の先生におかれましては、御都合のため出席できない旨を御連絡いただいております。そのため、皮膚科学会より事前にマニュアル作成のポイントについてお送りいただいておりますので、それについて事務局よりまず御紹介させていただきます。
今回、マニュアル作成に至った背景です。多形紅斑型薬疹は、こちら播種状紅斑丘疹型薬疹に次いで頻度の高い病系で、時に発熱や粘膜疹を伴いスティーヴンス・ジョンソン症候群との鑑別が問題となります。治療法が異なるために、別途、多形紅斑型薬疹についてのマニュアルを作成する必要があるということで、作成に至ったという御説明を頂いております。
マニュアルのポイントです。多形紅斑型薬疹は、重症薬疹であるスティーヴンス・ジョンソン症候群とは異なり、ステロイドの大量投与や免疫グロブリンの大量投与などの強力な治療を必要としない疾患です。しかし、重症型では、発熱や粘膜疹を伴うことからスティーヴンス・ジョンソン症候群との鑑別が必要であり、それについて、臨床的、病理組織学的に分かりやすく解説していただいており、多形紅斑型薬疹では、粘膜疹が見られても充血であり、粘膜の壊死や出血性糜爛がなく、病理組織学的にも表皮の壊死度の程度は軽いということがマニュアル上明記されております。また、同じく粘膜疹を伴うことがある固定薬疹や感染症、膠原病といった薬剤以外の原因による多形紅斑、自己免疫性水疱症との鑑別も必要であり、それについても解説を頂いています。治療については、多くは中用量ステロイドの全身投与で十分であるとのことです。
こちらは、作成の経緯とも関係いたしますが、既存マニュアルとの関係についても解説を頂いております。スティーヴンス・ジョンソン症候群のマニュアルについては多形紅斑型薬疹との皮膚の病理組織的な違いが記載されておりますが、多形紅斑型薬疹の臨床症状についての詳細な記載や組織像がありませんでした。また、多形紅斑型薬疹の治療についても既存マニュアルには記載がありませんので、今回、こちらの新しいマニュアルで御対応いただいたというところです。
皮膚科学会より頂いたマニュアルのポイントについては以上ですが、今回、改訂又は新規作成されたマニュアルについては共通の変更事項がありますので、こちらも併せて事務局より御説明させていただきます。
まず、マニュアルの構成です。各マニュアルには参考1として、医薬品医療機器等法に基づく副作用報告件数を記載しております。多形紅斑型のマニュアルですと、17ページ、多形紅斑は新規のマニュアルですのでこちらのデータは新規に作成しておりますが、改訂のマニュアルについても、平成27年度と平成28年度のデータで更新しております。
19ページの参考2です。こちらはICH、国際医薬品用語集日本語版における関連用語を記載したものですが、こちらについても新しいバージョンである「20.1」で作成しております。改訂マニュアルについてはこちらのバージョンアップを図りまして、20.1で記載をしております。
なお、今回のマニュアル改訂に合わせ、医薬品副作用被害救済制度に関する記載も追加しております。参考3、4についてです。参考3については、医薬品副作用被害救済制度の過去5年の給付件数、参考4は、副作用被害救済制度の開設について記載しております。
副作用被害救済の関係で追記した箇所は他にもあり、最初にお戻りいただいて、3ページ目の「本マニュアルについて」の一番最後のパラグラフですが、記載事項の説明という緑色の枠の上にも副作用被害救済についての説明を追記しております。事務局からの説明は以上です。
○五十嵐座長 ただいまの説明に対して、何か御質問等がありましたらお願いしたいと思います。飯島先生、何か追加とかありますでしょうか。
○飯島構成員 皮膚科の飯島でございます。これを作成に至る背景の説明も十分ありましたように、これはスティーヴンス・ジョンソン、and、or TENですが、これらとの鑑別で常に問題になるのが多形紅斑で、実は多形紅斑のマニュアルはなかったというのは、前回のときに作っておりませんので、新しくこしらえさせていただきました。これは発症機序も、重症度も、治療法も全く違う別の疾患ですが、時々誤解されます。ですから、非常に鑑別、判別が難しい疾患ですので、学会の現役の諸君たちは非常によく書いてくれているなと思います。
事前に私は見させていただきました。1箇所について、9ページの一番下のフレーズを御覧いただきたいのですが、他覚症状の所で、下から5行目の「raised」の位置が違うので、通常は「typical targets」又は「raised atypical target」と表現します。typicalにはraisedもflatもないのです。実はflat atypical targetというのがスティーヴンス・ジョンソン/TENのときの皮膚症状でして、typical target並びにraised atypical target、これが多形紅斑の発疹だというように、ただ、これで我々は分かりますが、皆さんが分かるかどうかについては皆さんに御議論いただきたいところなのです。実はこれを書き出しますと、多分、ものすごく長くなるので、このところは多分、現役の諸君たちは苦労したのだろうと思いますけれども、これについては皆さんの御意見を聞いて、この総意として、もうちょっと噛み砕いて言えと言えば、またお知恵も出していただけると思いますが、そこは御議論をよろしくお願いいたします。私は分かります、皮膚科医は分かりますけれども、恐縮でございます。それは見ていただきますと、raised atypical targetは11ページの下から5行目の所に、「典型的には中心部の発赤はうんぬん」と書いてあります。これがtypical targetsという発疹です。
それから、13ページの写真の上から典型症例の5行目に、raised atypical targetという使い方をしております。これが何となく怪しい発疹で、これがflatだと、どうもSJS/TENのほうではないかと考えるのですが、この判別は非常に専門家でも結構難しいので、これを言葉にするのはもっと難しいのだと思います。使い方の問題で、raised atypical targetsと typical targetsいう用語で我々はいいのですが、よろしいかどうか皆さんの御意見を聞いていただいたらと思います。もっと噛み砕いて言えと言えば、これは医科向けの話の部分ですから、一般向けの話ではありませんので、よろしくお願いします。