肺がんの薬物治療

分類

肺がんは10種類以上に分けられるが、頻度が大きいのは、「腺がん」、「扁平上皮がん」、「小細胞がん」、「大細胞がん」の4種類。
  • 非小細胞がん(Non-Small Cell Lung Cancer ; NSCLC)
    • 腺がん
      • 腺組織と似た形状
      • 発生しやすい部位:肺野部
      • 女性やタバコを吸わない人にできる肺がんの多くが、この腺がん
    • 扁平上皮がん(Squamous Non-Small Cell Lung Cancer ; Sq NSCLC)
      • 扁平上皮(皮膚・粘膜)と似た形状
      • タバコとの強く関係する
      • 発生しやすい部位:肺門部
    • 大細胞がん
      • 正常組織とは類似していない
      • 発生しやすい部位:肺野部
  • 小細胞がん(Small Cell Lung Cancer ; SCLC)
    • 正常際組織とは似ていない。細胞が小さい。
    • 他の組織型と比べて、発育成長が早く、転移しやすい
    • 生しやすい部位:肺門部

標準治療

非小細胞がん手術による治療が中心 ・再発予防のため、術後に術後化学療法を行うこともある ・手術が難しい場合:放射線治療→薬物療法
小細胞がん ・早期に発見されることが少ないため、手術+抗がん薬または抗がん薬単独による治療が中心 ・放射線治療を併用することもある

非小細胞肺がん

Ⅰ期から一部のⅢ期手術が中心
  • ⅠA(ⅠA1,ⅠA2)期:手術単独
  • ⅠA3,ⅠB,ⅡA期:
    • 肺腺がん:術後化学療法(ユーエフティⓇを手術後2年間内服)
    • 扁平上皮癌:手術単独
*手術が行えない場合,または手術を希望しない場合:放射線療法
Ⅲ期化学放射線療法
  • シスプラチン+ビノレルビン療法
  • シスプラチン+S-1療法
  • シスプラチン+ドセタキセル療法
    • 4週ごとに2サイクル
  • カルボプラチン+パクリタキセル療法
    • 週に1回,全部で6回
化学放射線療法後の免疫チェックポイント阻害薬による地固め療法
  • デュルバルマブ
    • 2週間ごと,1年間
Ⅳ期化学療法
  • 抗剤(細胞傷害性抗がん薬)
  • 分子標的治療薬
    • ドライバー遺伝子
      • EGFR
      • ALK
        • ドライバー遺伝子の変異や転座がある場合には、分子標的治療薬(単独または抗がん薬と併用)が選択される
  • 免疫チェックポイント阻害薬
    • PD-L 1 タンパク:高発現
      • PD-L1 タンパクが高発現の場合、効果が期待されるため、免疫チェックポイント阻害薬(単独または抗がん薬と併用)が選択される
      • ドライバー遺伝子の変異や転座がない場合や、PD-L1 タンパク発現が低い場合は、抗がん薬と免疫チェックポイント阻害薬併用

薬物療法

非小細胞肺がん:ⅠA, ⅠB 期
非小細胞肺がん:ⅡA, ⅡB 期
非小細胞肺がん:ⅡB, ⅢA 期
非小細胞肺がん:ⅢA期-N2, ⅡB期-N2
非小細胞肺がん:ⅢB, ⅢC 期
非小細胞肺がん:Ⅳ 期
非小細胞肺がん:Ⅳ 期・ドライバー遺伝子変異/転座陽性の場合
非小細胞肺がん:Ⅳ 期・EGFR 遺伝子変異陽性
 
肺癌診療ガイドライン―悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍含む、2023年版 https://www.haigan.gr.jp/guideline/2023/
 

ドライバー遺伝子

ドライバー遺伝子とは?がんの増殖に直接関わる遺伝子の事。
非小細胞肺がんでは、いくつかのドライバー遺伝子との関連が知られている。
  • EGFR遺伝子変異
  • ALK融合遺伝子
  • ROS1融合遺伝子
  • BRAF遺伝子変異
  • PD-L1