特定保険医療材料

定義

医療材料

医療材料とは、医療行為を提供するのに必要となる医療機器、器具、医薬品の総称をいいます。

保険医療材料

このうち、保険診療に用いられる、医療機器・材料を、「保険医療材料」といいます。
特に規定されている場合を除き、保険医療材料にかかる費用は、診療報酬の中に含まれているものとされているため、別に算定することはできません。

特定保険医療材料

特定保険医療材料とは、 医師や訪問看護師が、在宅医療で処置などに使用する材料や、患者に支給して使用する在宅薬剤関連の材料が含まれます。
  • 費用:材料価格が定められています
  • 処方箋で交付:
    • 該当する特定保険医療材料は、処方箋を発行し、薬局で処方箋に基づき交付することができます・・・下記表中の「調○○○」の番号がついている材料
 

医師が交付する処方箋に基づき薬局が交付できる特定保険医療材料

どれが該当するか調べるには?

診療報酬改定に関する資料を見ると、「特定保険医療材料の定義について(通知)」があります。これには、特定保険医療材料の定義と、その医療材料ごとの「機能区分」の定義が記載されています。この中には、医科や歯科の処置で使用する保険医療材料も全て掲載されています。
このうち、処方箋に基づき薬局が交付できる特定保険医療材料は、「特定保険医療材料及びその材料価格(材料価格基準)の一部を改正する告示」を見ます。この「別表第三」に掲載されている特定保険医療材料は、処方箋に基づき交付可能です。
「別表第三」に記載されている種類が、実際に、どの材料に対応するのかを調べる場合、「特定保険医療材料の定義について」を見ると、対応する「類別」と「一般的名称」が掲載されています。医療機器の添付文書を、「一般的名称」で検索すると、対応する製品がヒットします。
各製品の添付文書を見て、「類別」と「一般的名称」があっていることを確認しましょう。

請求コードを調べる

保険請求するには、当該の特定保険材料について、対応する請求コードを入力します。
ひとつの特定保険材料(例えば、「腹膜透析液交換セット」)を、さらに機能区分で分類して(例えば、「回路・Yセット」「回路・APDセット」)、材料価格が定められています。
 
保険請求したい特定保険材料が、どの請求コードに該当するかを調べます。関連書籍で調べた場合も、添付文書を見て、一般的名称を確認し、どれに対応するか確認しておきましょう。この時、特定保険材料の機能区分ごとに、請求コードが違います。どれに該当するか確認しましょう。
例えば、一般的名称「インスリン皮下投与用針付注射筒」は、調001の、「インスリン製剤等注射用ディスポーザブル注射器」に該当します。これには、「(1) 標準型」と「(2) 針刺し事故防止機能付加型」の2種類があります。(→どちらに該当するか、製品の特徴をよく確認し、最終的には、メーカーに確認した方が確実です)
材料価格を調べる
「特定保険医療材料及びその材料価格(材料価格基準)の一部を改正する告示」、厚生労働省告示第61号、令和6年
別表第三
 
「特定保険医療材料及びその材料価格(材料価格基準)の一部を改正する告示」  別表第三  Ⅶ 調剤報酬点数表に規定する特定保険医療材料及びその材料価格・・「調〇〇〇」 (R6年度 https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/001218725.pdf) ※「調○○○」の3桁の数字は、上記のリストに付いている番号に対応
I 診療報酬の算定方法  別表第一医科診療報酬点数表(医科点数表)  第2章第2部に規定する特定保険医療材料及びその材料価格・・「医〇〇〇」  https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=84aa9731&dataType=0&pageNo=1  ※「医○○○」の3桁の数字は、上記のリストに付いている番号に対応
別添3 調剤報酬点数表に関する事項
<特定保険医療材料料> 区分30 特定保険医療材料
(1) 保険薬局で交付できる特定保険医療材料とは、別表2に掲げるものとし、次に該当する 器材については算定できない。
別表2
別表2 (P54) ・・・保険薬局で交付できる特定保険医療材料
別表2にある薬剤(表中で[別表2]のタグ付与)の自己注射に必要なディスポーザブル注射器+針
万年筆型注入器用注射針
ア 別表3に掲げる薬剤の自己注射以外の目的で患者が使用する注射器 イ 在宅医療以外の目的で患者が使用する「特定保険医療材料及びその材料価格(材料価格 基準)」(平成 20 年厚生労働省告示第 61 号)の別表のIに規定されている特定保険医療材料
(2) 特定保険医療材料の定義については、「特定保険医療材料の定義について」(令和6年3月5日保医発 0305 第 12 号)を参照すること。
   (診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(通知))
2022年
2022年
 
参考資料)