細胞間の情報伝達

細胞間の情報伝達

ねらい

細胞は「情報(シグナル)」をやり取りして体の働きを調整している。薬はこの情報伝達のどこかを強める/弱める/遮断することで作用する。

距離でみる「3つの情報伝達」

1) 自己分泌(Autocrine:自分に伝える)

  • 出した細胞=受け取る細胞(同じ細胞が自分に作用)
  • 近くの同種細胞にも作用することがある
  • 例:免疫・炎症で放出されるサイトカインの一部 など
    • インターロイキン

2) 傍分泌(Paracrine:近くに伝える)

  • 近くの細胞に拡散して作用(局所で働く)
  • 血液で遠くまでは運ばれない(運ばれても全身作用は主目的ではない)
  • 具体例:プロスタグランジン(PG)=局所ホルモン
    • 胃粘膜保護、痛み・炎症、腎血流維持などに関与
    • NSAIDsはCOXを阻害してPG産生を低下
      • → 胃粘膜防御↓ → NSAIDs潰瘍につながる

3) 内分泌(Endocrine:遠くに伝える)

  • ホルモンが血液で運ばれ、離れた臓器(標的臓器)の受容体に作用
  • 例:インスリン、甲状腺ホルモン、副腎皮質ホルモン など

情報伝達の基本(共通の流れ)

  1. 情報を出す細胞:ホルモン等の“メッセージ”を放出
  1. 受け取る細胞(標的細胞):受容体(レセプター)で受け取る
  1. 細胞内の反応:セカンドメッセンジャー(例:cAMP、Ca²⁺)などで反応が増幅
  1. 結果(生理作用):分泌・収縮・代謝変化などが起こる