低血糖(平成23年3月)

低血糖

初期症状

「冷や汗がでる、気持ちが悪くなる、急に強い空腹感をおぼえる、寒気がする、動悸がする、手足がふるえる、目がちらつく、ふらつく、力のぬけた感じがする、頭が痛い、ぼんやりする、目の前が真っ暗になって倒れそうになる」などの症状が急に出現したり持続したりするが、食事をとると改善する
「ボーッとしている、うとうとしている、いつもと人柄の違ったような異常な行動をとる、わけのわからないことを言う、ろれつが回らない、意識がなくなる、けいれんを起こす」など
 
 

重篤副作用疾患別対応マニュアル

厚生労働省  >重篤副作用疾患別対応マニュアル (URL)  ※改定前の版も閲覧可能
PMDA  >重篤副作用疾患別対応マニュアル(医療関係者向け)(URL)  >重篤副作用疾患別対応マニュアル(患者・一般の方向け)(URL)
厚生労働省 >重篤副作用総合対策検討会 (URL)
 

改定履歴

  • 平成23年3月
    • 続いて低血糖のマニュアルについて説明をお願いいたします。
      ○事務局 資料1-2の5頁~7頁をご覧ください。インスリンの注射、経口糖尿病薬を服用している場合に、血中のブドウ糖濃度が下がりすぎる低血糖が見られます。糖尿病薬のみならず抗不整脈薬などを服用した場合にも起こることがあります。症状としては、血糖値が60-70mg/dL未満になると、「冷や汗が出る」「気持ちが悪くなる」「動悸がする」「手足が震える」「ふらつく」「頭が痛い」などの交感神経症状が出現いたします。さらに、血糖値が30mg/dL未満になると、「ぼんやりする、うとうとしている、呂律が回らない、意識がなくなる」等、中枢神経症状が出現いたします。中枢神経症状が数時間以上続くと、稀に脳の重大な後遺症や生命の危機を生じることがあります。イラストは7頁に3つ載せています。頭痛、手足の震え、意識がなくなるを表しています。概要は以上です。
      なお、本マニュアルを作成いただきました日本糖尿病学会より、東京女子医科大学准教授の佐倉先生に参考人としてご出席いただいております。事務局からは以上です。
      ○松本座長 佐倉先生から補足がありましたらお願いいたします。
      ○佐倉参考人 「患者の皆様へ」のところは、いま事務局から説明していただいたとおりです。
      「医療関係者の皆様へ」は、1は同じなのですが、特に低血糖はインスリン、これは本来治療に使う主作用が効きすぎて起きるのですが、臨床の現場では、圧倒的にインスリンによる低血糖が多いので、それを項目として分けて、次に経口糖尿病治療薬による低血糖で、これも本来の作用が強く出すぎて起きるものですが、この2つは別個に分けさせていただいて、あとの薬物による低血糖はそれほど頻度は多くないので、まとめて書かせていただきました。(4)が患者側のリスク因子、(5)が投薬上のリスク因子です。
      副作用の概要については、自覚症状は患者向けに書いたところを、やや専門的に書いてみました。3の副作用の判定基準は、血糖を測るのがほとんどすべてと言っていいと思いますが、その前に、疑うことも重要であるということを書きました。13頁の4は、薬による低血糖と判別が必要な疾患として、低血糖が起きるような疾患について列記いたしました。15頁、5の治療法としては、最初には緊急の対応が必要であるということで、その対応法を書いています。16頁は、薬物の中止あるいは減量です。1回低血糖を起こした方は反復して起こしやすいので、2回目以降の予防をどうするかについて書いています。
      17頁6の典型的な症例ですが、1つは経口糖尿病薬のナテグリニド、症例2はコハク酸ジベンゾリンという不整脈薬、症例3はレボフロキサシンという抗菌薬について文献から取ってきました。20頁以降は薬の名前が出ていますが、これは先ほどと同じで、ガチフロキサシン等はもうなくなっていますし、21頁のGLP-1受動体作動薬にリラグルチドと書いてありますが、この2月にエキセナチドという新しい薬物も承認されましたので、それも加えたほうがいいかと思います。私からは以上です。
      2011年2月16日 第7回重篤副作用総合対策検討会 議事録