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インスリン製剤

薬効群名

特長:
薬効群の特徴
 

作用機序

インスリンそのものを外から補う注射薬
インスリンの追加分泌を補う
・・食後の血糖値の上昇を抑制し、食後高血糖を改善する
超超速効型 インスリン製剤
  • 用法:食事の直前(2分前)、もしくは食事開始後20分以内に注射
食事が取れるか不安な場合、食事開始後にも注射可能であることはメリット(事前に、主治医と確認をしておく)
超速効型 インスリン製剤
  • 用法:食直前(毎食)
速効型 インスリン製剤
  • 用法:食前(毎食)・・食事の約30分前
 
インスリンの基礎分泌を補う
・・空腹時血糖の上昇を抑えて、1日の血糖値を全体的に下げる
中間型 インスリン製剤
  • 用法:朝食前30分以内
⚠️ 1日の決めた時間に注射するように説明を受けている場合があるので確認
持効型 インスリン製剤
  • 用法:一定の時間
 
 
<混合型>インスリンの基礎分泌・追加分泌を同時に補う
・・作用時間が短い超速効型・速効型と、長く作用する中間型・持効型を、混合している
混合型 インスリン製剤
中間型との混合
速効型+中間型
インスリン ヒト(遺伝子組換え) ノボリン30R
  • 用法:食前30分以内(1日2回)
超速効型+中間型(超速効型:中間型=50:50)
インスリン リスプロ(遺伝子組換え) ヒューマログミックス50
超速効型+中間型(超速効型:中間型=30:70)
超速効型+中間型(超速効型:中間型=25:75)
インスリン リスプロ(遺伝子組換え) ヒューマログミックス25
  • 用法:食直前(1日2回)
配合持効溶解 インスリン製剤
持効型との混合
超速効型+持効型(超速効型:持効型=3:7)
  • 用法:食直前(1日1回)
 
 
インスリンの基礎分泌を補う
週1回持効型溶解 インスリン製剤
  • 用法:週1回(同一曜日)
 
 

薬剤名

代表的な副作用

低血糖
 
 
注射部位の症状
発赤、痒み、疼痛、腫脹など
毎回同じ場所に注射した場合、皮下脂肪の萎縮や肥厚(インスリンボール)の可能性がある
 

注意事項

シックデイ
 
持効型製剤は、シックデイ時も、継続することが重要
食事が取れなくても、ストレスのため血糖コントロールが乱れるため、持効型製剤は継続する
必ず、事前に、個別に指示を確認しておくこと

使用時の注意点

 

注射部位

腕外側部、腹壁、でん部、大腿部の上半分の外側
吸収の速さ:腹壁>腕外側部>でん部>大腿部の上半分の外側
注射部位は、4つのうち、どこか1箇所に決める(その中で少しずつずらしながら注射する)
⚠️ 運動をするときは吸収が早くなるので、ジョギングなどで大腿部の筋肉を使う場合、注射部位は、大腿部以外の部位にする
 

注射剤使用時の注意事項

 

質問される事項についての回答

インスリン注射を始めてから、抜け毛が増えたように感じます
 
A. インスリン注射のせいで、抜け毛が増えることはありません。
 
糖尿病であることが、抜け毛と関連します。
糖尿病では、血流が阻害されやすく、毛髪の発育に必要な栄養を十分に送ることができないため、抜け毛が増える可能性があります。
インスリン注射を始めてから、抜け毛が増えたように感じ、インスリン治療の副作用を心配される方もいらっしゃいますが、それは、糖尿病のためです。
 
インスリン注射によって、体内でインスリンが作用すると、血流も改善してくるため、毛髪を作る毛母細胞が正常に戻り、徐々に新しい毛髪が作られるようになるため、過度に心配する必要はありません。