地域における高齢者のポリファーマシー 対策の始め方と進め方

地域における高齢者のポリファーマシー 対策の始め方と進め方

はじめに

令和3年3月に、病院においてポリファーマシー対策の取組を始める際や業務運営体制を体系的に構築・運営する際に役立てていただくためのツールとして「病院における高齢者のポリファーマシー対策の始め方と進め方」をとりまとめた。
ポリファーマシー対策は病院だけでなく地域全体で取り組むと実効性がより高まることから、今般、地域においてもポリファーマシー※1対策を行う際に役立てていただくため、以下の2つを目的として本書をとりまとめた。地域では、必ず複数の医療提供施設が連携してポリファーマシー対策を実施するため、病院におけるポリファーマシー対策とは異なり、患者と直接接する医療従事者が自ら対応可能なところから始めるという意識が特に重要である。
1つ目は、地域においてポリファーマシー対策を始める際に取組初期に直面する課題を解決するためのまず目の前の患者にどう対応するかという視点で活用してもらうことを目的としており、この内容を第1 章にまとめた。2つ目は、ポリファーマシー対策を地域全体で進めるため、ポリファーマシーを実施する上での地域のマニュアル等を整備し、業務をより効率的に行う参考資料として活用してもらうことを目的としており、この内容を第2 章にまとめた。
本書は、高齢者の医薬品適正使用の指針(以下、指針)を活用し、ポリファーマシー対策の取組を進めるツールとして作成されたものであることから、主たる利用対象は医師、歯科医師、薬剤師としながらも、広くポリファーマシー対策にかかわる関係者も利用対象として想定している。
※1:地域におけるポリファーマシー対策とは、診療所と薬局とが連携して行う場合や市区町村単位で行政、医療、介護、学識経験者などの主体が会議体などを通じて連携して行う場合などを想定する。「病院における高齢者のポリファーマシー対策の始め方と進め方」で想定する病院が主導してポリファーマシー対策を行う場合以外の状況を想定している。
本文では、指針・総論編及び各論編(療養環境別)で参照すべき箇所を「総論編p.●を参照」「各論編p.●を参照」などとして示している。本書とあわせてご確認いただきたい。

用語集

用語解説
薬物有害事象薬剤の使用後に発現する有害な症状又は徴候であり、本書では薬剤との因果関係の有無を問わない概念として使用している。薬剤との因果関係が疑われる又は関連が否定できないものとして使用される「副作用」とは区別している。
ポリファーマシー単に服用する薬剤数が多いことではなく、それに関連して薬物有害事象のリスク増加、服薬過誤、服薬アドヒアランスの低下等の問題につながる状態を指す。
薬剤調整を支援する者(薬剤調整支援者)ポリファーマシー対策に関する一定の知識を有し、地域での医療・介護提供において個別の患者の処方状況・服薬状況を把握し、当該患者の状態にあった適切な処方・服用を実現するために、当該患者のポリファーマシーの課題に対して責任をもって、当該患者に関わりのある医療機関や薬局等に働きかけ(処方変更の提案 等)を行うことを通じて当該患者を支援する者。 ※本書において便宜的に使用した用語である ※制度等において設置を義務付けるものではない
地域ポリファーマシーコーディネーター地域の医療・介護関係者たちの理解を得ながら協働し、地域全体のポリファーマシー対策の方針の検討等の中核を担う、地域のポリファーマシー対策の旗振りをする者。 ※本書において便宜的に使用した用語である ※制度等において設置を義務付けるものではない
目次:
地域における高齢者のポリファーマシー 対策の始め方と進め方はじめに用語集第1章ポリファーマシー対策の始め方1.ポリファーマシー対策を始める前に(1)患者やその家族と多職種との関係を構築する(2)患者やその家族への説明資材を準備する図1 一般社団法人くすりの適正使用協議会ウェブサイト「あなたのくすりいくつ飲 んでいますか」のパンフレット(図左)、ポスター(図右)のイメージ2.身近なところから始める方法(1) 小規模から始める(2)既にある仕組みやツールを活用する表3 地域におけるポリファーマシー対策のチームの例表4 既存ツール等へのポリファーマシー対策の取り入れ方(3)患者に働きかけ、ポリファーマシーを調整するキーマンを決める表2 対象患者の抽出条件の例3.ポリファーマシー対策を始める際の課題と対応策(1)「多職種連携が十分でない」(2)「患者の服用薬の一元的把握ができない」表5 お薬手帳がうまく活用されていない課題とその対応策や活用方法(3)「効率的に対象患者の抽出を行いたい」(4)「ポリファーマシーであることを判断することが難しい」(5)「医師が自科以外の処方薬を調整することが難しい」表6 他科の処方薬を見直す際の確認事項(6)「病態全体をとらえることが難しい」(7)「見直し後の処方内容をかかりつけ医7へフィードバックする体制が 構築されていない」(8)「人員不足のため、地域におけるポリファーマシー対策に積極的に関 与する時間が作れない」第2章ポリファーマシー対策の進め方1.ポリファーマシー対策の体制づくり(1)ポリファーマシーの概念を確認する(2)ポリファーマシー対策の目的を確認する(3)資料を取りそろえる表7 取りそろえておくべき資料(4)ポリファーマシー対策を推進する担当者を決める(5)自治体や保険者がポリファーマシー対策に関わる(6)地域包括ケアシステムを担う医療・介護関係者等との連携体制をつく る(7)デジタル技術を活用してポリファーマシー対策を進める(8)費用について考慮する2.ポリファーマシー対策の実施(1)地域でのポリファーマシー対策の全体的な方針を会議体で検討する(2)地域の現状を把握する表1 ポリファーマシーに関して現場で困っていることの例(3)地域住民の理解を深める(4)地域の医療・介護関係者等の理解を得る(5)地域で啓発活動を行う(6)ポリファーマシー対策の成果をモニタリングする表8 成果把握のためのモニタリング指標3.ポリファーマシー対策の場面ごとの実施例(1)外来・在宅医療を受けている患者に対応する(2)医療機関から退院した患者に対応する(3)介護老人保健施設等で対応する(4)自治体や保険者と協力して対応する(5)多職種で協力して対応する4.様式事例集第3章本書の検討体制

第1章ポリファーマシー対策の始め方

・本章では主にポリファーマシー対策をこれから始める地域の多様な主体(自治体、保険者、医師会、病院関係者、診療所関係者、薬剤師会、薬局関係者、看護関係者、介護関係者、学識経験者等)のために、地域の身近な主体と連携してポリファーマシー対策を始める場合の手法等を示している。なお、病院内でのポリファーマシー対策については「病院における高齢者のポリファーマシー対策の始め方と進め方」にて示しており、そちらも参照されたい。

1.ポリファーマシー対策を始める前に

一律の剤数/種類数のみに着目するのではなく、安全性の確保等からみた処方内容の適正化が求められることを理解し、ポリファーマシー対策に取組む必要がある。
  • 処方・剤形の工夫(→総論編 p.16 表3を参照)・非薬物的対応(→各論編 p.5 を参照)・服薬アドヒアランスの改善(→ 各論編 p.8 を参照)などが可能かどうか、逆に過少医療が疑われる場合は処方追加も含め、検討する。

(1)患者やその家族と多職種との関係を構築する

  • ポリファーマシー対策を進めるにあたって、患者や患者家族にポリファーマシーの問 題を理解してもらい、共に取り組みを進めていくためには、かかりつけ医やかかりつ け薬剤師などが日頃から患者と何でも相談できる関係を構築することが重要である。
・地域でポリファーマシー対策を進める場合、多職種連携が不可欠であることから、医師や薬剤師等の医療従事者が日頃から顔の見える関係を築き、連携して対応できる環境を構築する。

(2)患者やその家族への説明資材を準備する

  • 患者や患者家族にポリファーマシーの問題を理解してもらうため、説明用のリーフレ ット等をいつでも活用できるよう準備しておく。
(患者や患者家族への説明資材の例)

図1 一般社団法人くすりの適正使用協議会ウェブサイト「あなたのくすりいくつ飲 んでいますか」のパンフレット(図左)、ポスター(図右)のイメージ

 
 

2.身近なところから始める方法

(1) 小規模から始める

ポリファーマシー対策に関心のある仲間で小規模に取組をはじめると、活動やモチベーションを維持しやすい。
  • 小規模から始める場合として、診療所と近隣にある薬局とで始める場合や、サービス付き高齢者住宅等に居住する高齢者、訪問診療を受けている患者、介護老人保健施設に入所する高齢者を対象として、まずは残薬など服薬上の問題を解消するための介入にあわせてポリファーマシー対策を薬局薬剤師が行う場合などが考えられる。
  • 上記施設の職員で行う勉強会でポリファーマシーをテーマに取り上げるなど、関係者の学びの機会を増やし、ポリファーマシー対策への理解が深まることで協力する意識が高められ、仲間をつくりやすくなる。

(2)既にある仕組みやツールを活用する

通常の業務で関わっている医療・介護従事者との連携や既存ツール(表4)にポリファーマシーの視点を導入することで取組みやすくなる場合もある。
  • 通常の業務で関わっている医療・介護従事者の業務内容に関連したポリファーマシー対策の視点を加えると、通常の業務とポリファーマシー対策の成果が有機的に結びつき、ポリファーマシー対策を効率的かつ効果的に行うことができる。
  • また、既存の情報共有での検討事項にポリファーマシーの視点を加える方法もある。なお、「第2章1.(7) デジタル技術を活用してポリファーマシー対策を進める」も参考にされたい。

表3 地域におけるポリファーマシー対策のチームの例

  • 診療所と近隣にある薬局
  • サービス付き高齢者住宅等に居住する高齢者、訪問診療を受けている患者、介護老人保健施設に入所する高齢者に対し共通の患者をケアする医師、薬剤師、看護師、介護従事者等のチーム

表4 既存ツール等へのポリファーマシー対策の取り入れ方

職種ツール等活用方策
医師・歯科医師診療情報提供書・処方見直し内容やその理由の記載欄を加える。 ・薬剤師が薬剤等に関するサマリーを記載できる欄を設ける。
薬剤部等の薬剤師入院時持参薬の記録様式ポリファーマシーが疑われる旨のチェック欄とその判断理由の記載欄を加える。
薬剤管理サマリー1処方見直し内容やその理由を記載する。
お薬手帳処方見直し内容やその理由を記載する。
電子処方箋処方状況を把握し、処方の見直しを行う。
診療情報提供書薬剤師が薬剤等に関するサマリーを記載できる欄に処方見直し内容やその理由を記載する。
看護師看護サマリー服薬状況を把握し、処方見直し内容やその理由の記載欄を加える。
事務職員等電子カルテポリファーマシーの観点も踏まえて電子カルテを運用する(活用する)。 (例) PIMs に該当する薬剤の処方時に警告メッセージが出るようにする。
退院時カンファレンス退院時カンファレンスの際、処方見直し内容やその理由を関係者に伝える。
薬局薬剤師服薬情報等提供書(トレーシングレポート)患者の意向、処方見直し案やその理由の記載欄を加え、記載する。
お薬手帳処方状況を把握し、一般用医薬品等を含む服用情報について記載する。
入院前・入院時の薬剤情報提供書(入院前・入院時薬剤サマリー)かかりつけ患者が入院するときに服用状況を記載する。
薬剤管理サマリー返書病院からの薬剤管理サマリーに対する返書。
日本病院薬剤師会作成の薬剤管理サマリー等

(3)患者に働きかけ、ポリファーマシーを調整するキーマンを決める

地域で薬剤の調整を担う担当者がいることで、一元的な情報管理が行えるほか、患者が相談しやすい環境を作ることが可能。
  • 地域でポリファーマシー対策の対象とする患者については、常に医療従事者によるコミュニケーションを取ることができる病院と比べ、ポリファーマシー対策への理解や自主性が求められる。このため患者や患者の家族にポリファーマシーの問題を説明したうえで、意向を確認する。
  • その上で患者の薬剤を一元的に把握し多職種で効率的に連携して対応を進めるため、普段から患者に関わりのある者の中からポリファーマシーを調整するキーマンとして、薬剤調整を支援する者(薬剤調整支援者)を患者と相談して決めることも有効である。なお、薬剤調整を支援する者(薬剤調整支援者)は、かかりつけ医やかかりつけ薬剤師等が考えられ、患者が一番相談しやすい者であることが望ましいため、患者の意思を尊重することが重要である。
  • PIMs など特定薬剤を服用する患者や、慢性疾患患者など特定の疾患を持つ患者から始めること、協力的な患者を対象候補として進めることも考えられる。

表2 対象患者の抽出条件の例

  • 特に慎重な投与を要する薬物(PIMs (Potentially Inappropriate Medications))が処方に含まれる場合
  • 転倒スクリーニングの結果、リスクが認められる場合、患者が薬剤の調整に協力的な場合

3.ポリファーマシー対策を始める際の課題と対応策

(1)「多職種連携が十分でない」

  • 各職種のポリファーマシー対策における役割(→各論編 p.7 表1及びp.54 別表3を参照)を明確にすることで、患者の生活の質(QOL:Quality of Life)の維持向上という共通の目的のもとに、処方見直しに有用な情報を共有する多職種連携・協働を図りやすくなる。
(具体的な対応策)
  • 地域における医療関係者が、医療・薬剤・介護などにかかる多職種での会合に積極的 に参加し連携を図る。
  • 地域で患者情報を共有するシステムやシステムを用いない情報共有方法を通じて、多職種で情報共有して連携を図る。その際に多職種が必要とする情報が何かを事前に把握しておくことが重要である。
  • 地域でのポリファーマシー対策の相談窓口を見える化することが重要である。

(2)「患者の服用薬の一元的把握ができない」

  • お薬手帳の活用については、表5に挙げる課題と対応策のほか、各論編p.8 に挙げるお薬手帳の活用方法や留意点も考慮すべきである。また、電子版お薬手帳などにより薬剤情報を電子的・一元的に管理する方法も活用しながら、患者の処方状況を正確に把握する。

表5 お薬手帳がうまく活用されていない課題とその対応策や活用方法

課題課題への対応策活用方法
患者側・持参しない ・1冊にまとめていない・日頃から患者教育 を行う ・啓発パンフレット の配布 ・活用体調変化や一般用医薬品等についても記載する
医師・薬剤師側患者がお薬手帳を持参しているか確認漏れがある受診時・来局時のチェックリストにお薬手帳を含める検査値、処方変更の理由なども記載する
管理栄養士であれば食欲や栄養状態の改善、理学療法士であればADL(Activities of Daily Living)やリハビリテーションの効果、事務職であれば患者の在院日数の短縮など、各職種に応じた役割や目的がある。
受診の際にお薬手帳を必ず携帯することや1 冊にまとめて管理することなど、有効な活用方法について指導する。
 
  • 2023 年1 月よりオンライン資格確認の基盤を活用した電子処方箋の処方・調剤情報の運用が開始された。また電子処方箋やマイナポータルと連携した電子版お薬手帳などにより薬剤情報を電子的・一元的に管理する方法も活用しながら、患者の処方状況を正確に把握する。

(3)「効率的に対象患者の抽出を行いたい」

  • 地域でポリファーマシー対策を進める際の効率化の方策としては、デジタルやツール を活用することが考えられる。
(具体的な対応策)
  • 薬局においてポリファーマシー患者の検出機能を入れた電子薬歴システムを使用する ことが考えられる。
  • 保険者においてレセプト分析で特定の条件を設定し、ポリファーマシーの可能性の高 い候補者を抽出することが考えられる。
  • 診療所において電子カルテをカスタマイズし、ポリファーマシーが疑われる症状のカルテ記載や、年齢、処方薬数、薬剤種類などの条件から、対象患者を自動的に抽出できるようにする。
  • 受診時にポリファーマシーが疑われるか否かを検出できるお薬問診票を用いることが考えられる。
令和5年度 厚生労働省 医薬・生活衛生局医薬安全対策課委託事業「高齢者の医薬品適正使用推進事業に係る実態調査・検討一式」で実施したアンケート結果により、電子処方箋に対応している病院のうち、約2割の病院が電子処方箋をポリファーマシー対策で活用したことが把握された。
お薬問診票の様式(国立長寿医療研究センター)のリンクURL https://www.ncgg.go.jp/hospital/overview/organization/documents/20230825_monshin.pdf

(4)「ポリファーマシーであることを判断することが難しい」

  • ポリファーマシーが疑われる状態であるか、スクリーニング方法を活用しながら判断する。
⇒対象患者のスクリーニング例については、p.20「第2章3.ポリファーマシー対策の場面ごとの実施例」を参照

(5)「医師が自科以外の処方薬を調整することが難しい」

  • 総論編p.8 図4-1 及びp.9 図4-2 に示すフローチャートに沿って慎重に検討する。その上で、他科の処方医に処方見直しを提案する際には、表6に示す事項を明示して提案するとよい。また、処方元の医師に処方意図や処方見直しにより起こりうる問題について照会し、助言や連携を得るとよい。

表6 他科の処方薬を見直す際の確認事項

・処方見直しの明確な理由
・処方見直しの手順
・処方見直しにより起こりうる問題
・処方見直しにより問題が起こった後の対応策、フォローアップ体制

(6)「病態全体をとらえることが難しい」

  • 特に診療所においては、患者の既往歴や処方歴などの情報をより多く把握することに加え、潜在的な病態がある可能性を考慮し、高齢者総合機能評価(CGA)等による日常生活機能を踏まえて処方を見直す優先順位を判断する。
総合診療医(総合内科医)や老年内科医がポリファーマシー対策を統括することや、複数の診療科の薬剤に詳しい薬剤師が処方調整の助言を行うことも考えられる。

(7)「見直し後の処方内容をかかりつけ医7へフィードバックする体制が 構築されていない」

  • かかりつけ医以外の医師がポリファーマシー対策として処方見直しを行った場合や、かかりつけ薬剤師がかかりつけ医以外の医師からかかりつけ医へのフィードバックを委ねられた場合には、かかりつけ医に対し円滑にフィードバックできるようにするため、かかりつけ医との間で日頃から円滑な関係を築いておく。
⇒かかりつけ医への情報提供内容については、p.9「表6」を参照

(8)「人員不足のため、地域におけるポリファーマシー対策に積極的に関 与する時間が作れない」

  • ポリファーマシーの対象患者の抽出を行う際に、自治体や保険者と協力することや、地域個別ケア会議等の既存の会議体を活用して多職種と協力しておこなうことが考えられる。
⇒対象患者のスクリーニング例については、p.20「第2章3.ポリファーマシー対策の場面ごとの実施例」を参照
本文中の「かかりつけ医」については、病院外の主治医を指し、入院中の主治医は断りがない限り「主治医」として表記し、区別している。

第2章ポリファーマシー対策の進め方

  • 本章では地域で包括的に複数の主体(自治体、保険者、医師会、病院関係者、診療所関係者、薬剤師会、薬局関係者、看護関係者、介護関係者、学識経験者等)と連携して、ポリファーマシー対策を推進する場合の流れを例示している。

1.ポリファーマシー対策の体制づくり

(1)ポリファーマシーの概念を確認する

  • 多剤服用とは、単に服用する薬剤数が多いことを指す。
  • ポリファーマシーとは、単に服用する薬剤数が多いことではなく、それに関連して薬物有害事象のリスク増加、服薬過誤、服薬アドヒアランス低下等の問題につながる状態であり、何剤からポリファーマシーとするかについての厳密な定義はない。
⇒ポリファーマシーの概念については、「総論編p.2」を参照

(2)ポリファーマシー対策の目的を確認する

  • 高齢者は加齢による生理的な変化や複数の併存疾患を治療するための医薬品の多剤服用等によって安全性の問題が生じやすい状況があることから、薬物療法の適正化(薬物有害事象の回避、服薬アドヒアランスの改善、過少医療の回避)を目指し、高齢者の特徴に配慮したよりよい薬物療法を実践して問題の解消・改善を図ることがポリファーマシー対策の目的である。
  • 地域でポリファーマシー対策を進めるためには、地域全体で処方意図や医療機関退院後の方針について地域で共有することが必要になる。そのため、地域包括ケアシステムにかかわる医療関係者・介護関係者との連携までを地域におけるポリファーマシー対策の取組として捉えることが望ましい。

(3)資料を取りそろえる

表7 取りそろえておくべき資料

・「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」
・「高齢者の医薬品適正使用の指針(各論編(療養環境別))」
・「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」(2016 年10月日本老年医学会)
※特に慎重な投与を要する薬物(PIMs)リスト、開始を考慮するべき薬物のリストも掲載されている

(4)ポリファーマシー対策を推進する担当者を決める

  • 地域全体でポリファーマシー対策を推進するためには、地域のポリファーマシーの実行を推進する「地域ポリファーマシーコーディネーター」を定めることが効果的と考えられる。担当者としては、中核病院の地域連携室等に所属する医療従事者や地域の薬剤師会に所属する薬剤師等が考えられる。
  • この担当者は、自治体や地域の医師会・中核病院などの、地域医療を中心的に推進する主体の理解を得ながら、地域でのポリファーマシー推進のあり方を検討し、それを実行する役割を担う。また地域の薬剤師会や看護や介護の関係団体、保険者などとの連携を深める役割を担うことも望まれる。
  • 個別の患者に対して、地域でのポリファーマシー対策を実施する際には役割分担(役割の重複を防ぐのではなく、役割に気づいてもらうことが目的)と連携が必要である。この際、個別の患者のポリファーマシー対策の中心となる「薬剤調整を支援する者(薬剤調整支援者)」の役割について、地域の医療従事者等の理解を図ることが効果的と考えられる。

(5)自治体や保険者がポリファーマシー対策に関わる

  • 地域が一体となってポリファーマシー対策を実施していくにあたっては、医療・介護 関係者だけではなく、自治体や保険者が取り組みに参加することも重要である。
  • 自治体や保険者が地域の医療・介護関係者が意見交換をするための会議を主催することで、医療・介護関係者はより一層円滑に連携していくことが可能になると考えられる。
地域の医療・介護関係者たちの理解を得ながら協働し、地域のポリファーマシー対策の方針の検討等を行う、地域のポリファーマシー対策の旗振り役。
ポリファーマシー対策に関する一定の知識を有し、患者の処方状況・服薬状況を把握し、患者の状態にあった適切な処方・服用を実現するために必要に応じて患者に関りのある医療機関や薬局等に働きかけ(処方変更の提案 等)を行うことを通じて患者を支援する者。
  • 住民へのポリファーマシー対策に関する普及・啓発活動等を自治体や保険者が医療関係団体等と協力して実施していくことで、更なる地域のポリファーマシーへの理解促進が実現すると考えられる。
  • 保険者がレセプトデータの分析を通じて、ポリファーマシー対策の対象患者の抽出を 行い、医療関係者に連携することも効果的である。
 

(6)地域包括ケアシステムを担う医療・介護関係者等との連携体制をつく る

  • 地域包括ケアシステムを担う医療・介護関係者等との連携は、継続的な医療・介護を患者へ提供するために医療分野、介護分野、地域包括支援センターなど地域からのポリファーマシー対策に関する相談を受けるなど対象患者に関わる関係者と幅広く関係を築くことが重要である。
  • 地域ケア個別会議などの地域における多職種連携のための会合や、各職能団体や地方自治体が主催する研修会などに出向き、ポリファーマシー対策を説明し協力を求め、地域ポリファーマシーコーディネーターの顔を覚えてもらい窓口として機能できる体制を構築することが望まれる
(中核病院の地域連携室を活用する仕組みをつくる)
  • 中核病院の地域連携室が患者から得る情報、患者に渡す情報にポリファーマシー対策の視点を加える。またポリファーマシー対策の担当者が地域連携室から情報を得る仕組みをつくる。仕組みづくりにあたり、地域連携室に所属する薬剤師が助言を行うことができる体制を作ることも有効である。
(中核病院の薬剤師と薬局の薬剤師が連携する環境をつくる)
  • 薬局の薬剤師を受け入れ、薬局の薬剤師と病院薬剤師が交流できる環境を醸成するために、中核医療機関において、例えば薬局の薬剤師の研修を受け入れる等の取り組みを行うことが考えられる。また、病院薬剤師が薬局の業務を経験する機会を設けることや、病院薬剤師と薬局の薬剤師が意見交換・事例共有出来る場を設けることも有効である。これによって地域における病院・薬局に所属する薬剤師間の関係性が強化され、ポリファーマシー対策を行う際の円滑な連携に寄与する。
連携先としては、医療分野の職能団体、病院、診療所、薬局など個別の医療関係施設がある。また、介護分野として、介護支援専門員の所属する職能団体、個別の介護事業所・施設も連携先となる。
中核病院が主催する会合や研修会に連携先の関係者を招くなどの交流や、地域医療支援病院における地域の医療従事者への研修の一環として行うことも有効である。
 

(7)デジタル技術を活用してポリファーマシー対策を進める

  • 電子カルテシステム、電子版お薬手帳や情報通信端末等のツールの活用により、ポリファーマシー対策の実施に伴う業務をより効率的に行えるようになると期待される。
  • なお、疾病情報などの個人情報を扱うことから、院外関係者へ情報提供を行う際等には、「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」や「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を踏まえ、必要な対応をとる。
  • マイナンバーカードを健康保険証として利用できるオンライン資格確認について、令和5年4月より、保険医療機関・薬局においてシステム導入が原則として義務づけられた。マイナンバーカードを用いると、患者自身の処方薬の履歴がわかることから、ポリファーマシー対策に活用することができるため、普段からマイナンバーカードを持参いただくよう呼び掛けることも有用である。
  • デジタル化を進めるにあたり、システムの新規導入には費用面でも問題がある。このため既存の電子カルテシステム等を用いて、できるところからポリファーマシー対策をはじめることが望まれる。

(8)費用について考慮する

  • 地域のポリファーマシー対策を推進するにあたって特に費用が発生することが考えられる場面として、「多職種連携のための会合」の開催等、地域の医療・介護関係者への啓発活動等が考えられる。その際発生する費用としては、会場費や資料代などが考えられるが、自治体から支援を受けることや、参加者が負担することが考えられる。
ポリファーマシー対策の対象となる患者の抽出、多職種間での医療情報共有・意思決定、患者が服用している薬剤の把握などを行う際に活用が期待される。
令和5年3月29 日付け個情第534 号・医政発0414 第6 号・薬生発0414 第1 号・老発0414 第1 号個人情報保護委員会事務局長・厚生労働省医政局長・医薬・生活衛生局長・老健局長通知別添
医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第6.0 版(令和5 年5 月) https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000516275_00006.html
 

2.ポリファーマシー対策の実施

(1)地域でのポリファーマシー対策の全体的な方針を会議体で検討する

  • 地域全体でポリファーマシー対策を継続的に推進していくためには、地域ポリファーマシーコーディネーターが中心となって、地域の関係者(自治体や地域の医師会・中核病院・地域薬剤師会などの地域医療を中心的に推進する主体の担当者)と地域におけるポリファーマシー対策の全体的な方針について定期的に検討することが望ましい。
  • 会議体は必ずしもポリファーマシー対策に特化したものを設ける必要はなく、他の薬剤等に関わる地域での問題について話し合う既存の会議体の時間の一部を活用するなどの方法でも構わない。
  • 会議体では、例えば、地域におけるポリファーマシー対策に関する取り決めや手順を定めた手順書の作成、地域における医療・介護関係者への理解の醸成の在り方、地域でのポリファーマシー対策の実態を把握するためのアンケート調査の実施や、情報連携の在り方などを協議することが考えられる。
  • 会議体の構成員としては、例えば、自治体、保険者、医師会、病院関係者、診療所関係者、薬剤師会、薬局関係者、看護関係者、介護関係者、学識経験者等とすることが考えられる。

(2)地域の現状を把握する

ポリファーマシー対策を始める前に、対象患者数の把握や職員の意識調査を行うと、介入対象を絞り込みやすくなり、対策導入後のアウトカム評価も行いやすくなる。
  • ポリファーマシーや多剤服用に関して困っている患者を把握するために、患者家族、ケアマネジャー、介護事業者などの服薬介助者に服薬問題全般についてヒアリングを行う際、ポリファーマシーについても確認することが重要である。
  • 医療・介護関係者に対しアンケート調査を行うことで、ポリファーマシーになってい る患者を抽出するとともに、医療・介護関係者の動機付けにもつながる。
医療関係者としては、医療分野の職能団体、病院、診療所、薬局など個別の医療関係施設が考えられる。介護関係者としては、介護支援専門員の所属する職能団体、個別の介護事業所・施設も連携先となる。
厚生労働省「令和4 年度高齢者医薬品適正使用推進事業」にて4つのモデル地域において実際にポリファーマシー対策に取り組み、地域での取組みにおける課題抽出等を行った。

表1 ポリファーマシーに関して現場で困っていることの例

  • ポリファーマシー対策に関する医療・介護関係者等のコンセンサスが無い
  • 服用薬剤数が多く、服用方法の説明・管理が難しい
  • ポリファーマシーに関連してせん妄や転倒が発生する

(3)地域住民の理解を深める

地域住民向けのお薬相談会や健康相談会、高齢者のサロン、通いの場などでポリファーマシーを取り上げ、地域住民の理解を深める。
  • 行政や薬剤師会などが、ショッピングセンターや地域交流会などの人が集まりやすい場所で、地域の方を対象に健康啓発活動を行うなかで、講演、お薬相談会、パンフレットの配布などを通じ、地域住民のポリファーマシー対策に対する理解を深めることが重要である。

(4)地域の医療・介護関係者等の理解を得る

地域の医療・介護関係者等に対し、訪問や講演などを通じて説明を行い、ポリファーマシー対策を始めることに理解を得る。
  • ポリファーマシー対策では処方医の理解を得ることが必要であるため、あらかじめ地 域の処方医に説明を行い、理解を得ることが重要である。
  • また病院と異なり、地域でのポリファーマシー対策ではポリファーマシーの患者を様々な機会でみつけることが想定される。具体的な機会としては、診療所、薬局、介護施設、要介護者の居宅などが考えられる。またポリファーマシーを見つける職種等としては、医師、薬剤師、看護師、ケアマネジャー、介護職員、民生委員、患者の家族などが考えられる。
  • ポリファーマシー対策を進めるにあたり、これらの関係者の理解を得るために、関係者への訪問による説明、関係者が集まった場における講演など行い、理解を得ることが重要である。
 

(5)地域で啓発活動を行う

  • 地域全体でポリファーマシー対策を推進するためには、多様な医療・介護関係者が、地域の関係者の理解のもと、それぞれの役割をもって積極的に協働できる環境が醸成されることが必要である。そのために、地域ポリファーマシーコーディネーター等による医療・介護関係者への普及啓発活動はポリファーマシー対策を推進する上で非常に重要な取り組みになる。(処方変更を主導的に担う主治医に対する普及啓発は、特に重要な要素である。)また、薬剤調整を支援する者(薬剤調整支援者)に対してポリファーマシー対策の重要性を改めて啓発を行う・薬剤調整を支援する者(薬剤調整支援者)同士による検討会を実施する等の方法で処方確認の流れや処方変更の提案の流れを共有することが重要である。
  • 医療・介護従事者への普及啓発活動は医師会・薬剤師会等が主導で勉強会を実施する他、地域のポリファーマシー対策に関する意識調査のアンケートを実施し、その結果をフィードバックすること等で実施することができる。
  • 更に、ポリファーマシー対策を実施するにあたって患者の理解が重要であることから、 地域のイベント等で患者向けの啓発活動を行うことも重要である。

(6)ポリファーマシー対策の成果をモニタリングする

  • ポリファーマシー対策の成果をモニタリングし、活動の改善や活動に対する理解や職 員のモチベーション向上につなげる。
  • モニタリングの指標は個々の診療所や薬局で把握可能な内容のほか、連携する医療機 関・薬局などに対するアンケート調査を行って収集してもよい。
  • マクロ的な指標だけでなく、個別の患者のポリファーマシー対策にかかる症例を共有 することも考えられる。

表8 成果把握のためのモニタリング指標

  • 処方見直しの対象となる患者数・年齢・疾患などの特性の推移
  • 対象患者の処方薬剤数・服用回数の推移、処方見直しの理由
  • 診療報酬の算定状況の推移(薬剤総合評価調整管理料、薬剤総合評価調整加算、 薬剤調整加算、服用薬剤調整支援料など)
  • 薬剤費の推移
  • ポリファーマシー対策に関する地域における活動回数(勉強会、会合など)
  • ポリファーマシーやその必要性に対する医療・介護関係者の理解度・関心度
  • 処方見直しを行った患者に対する退院後の処方内容の維持状況
  • 処方見直しを行った患者に対する退院後の処方見直しに起因する問題発生状況
 

3.ポリファーマシー対策の場面ごとの実施例

(1)外来・在宅医療を受けている患者に対応する

  • 入院には至らない慢性疾患患者などを対象にポリファーマシー対策を行う場合、かかりつけ医やかかりつけ薬剤師等のポリファーマシー対策について一定の知識がある医療専門職が中心になって対応することが想定される。
  • 対象患者は、かかりつけ医、かかりつけ薬剤師等が、看護師・保健師、ケアマネジャ ー、介護職などの気づきをもとに抽出することが望まれる。
  • 特に高齢者においては複数医療機関や多科受診をしている場合があるため、一人の対象患者に対して、一人の薬剤調整を支援する者(薬剤調整支援者)を定め、薬剤調整を支援する者(薬剤調整支援者)が、患者の処方状況・服薬状況を把握し、処方見直しの方策を検討し、当該患者に関りのある医療機関や薬局等に働きかけ(処方変更の提案 等)を行うことが望ましい。
  • 在宅医療において、ケアマネジャー、介護職がかかりつけ医やかかりつけ薬剤師と連携が取りづらい場合は、訪問看護師等がケアマネジャー、介護職の気づきを拾い上げ、かかりつけ医・かかりつけ薬剤師と連携していくことも考えられる。

(2)医療機関から退院した患者に対応する

  • 中核病院を退院した後、入院時に整理された処方がその後も適切に維持されるために は、中核病院と診療所が中心になって対応することが想定される。
  • 退院後、入院時に整理された処方が地域でその後も適切に維持されるためには、処方整理の理由等の情報が中核病院から地域の診療所に連携されることが必要である。そのための方法として、退院時に薬剤情報を提供する「薬剤管理サマリー」の様式や運用ルールを地域で定めること等が考えられる。
  • あわせて、服用薬を一元的に管理している担当者(かかりつけ薬剤師等や薬剤調整を支援する者(薬剤調整支援者)が想定される)に対しても処方整理の理由を共有することも重要である。処方変更経緯を理解した担当者が、退院後、入院時整理された処方が地域で適正に維持されているかについてモニターし、その結果が関係者に共有されることが望ましい。

(3)介護老人保健施設等で対応する

  • 介護老人保健施設等は、入所者が比較的長期間医師の管理下にいるため、ポリファーマシー対策が行いやすい環境にあるといえる。そのため、介護老人保健施設等の入所者に対するポリファーマシー対策を実施することは、地域のポリファーマシー対策を推進する上でも重要である。
  • ただし、介護老人保健施設等については医療機関と比較したとき、ポリファーマシー対策に時間を割くことができる医療従事者が十分でないことが想定されるため、併設病院の医師・薬剤師と連携した取り組みを実施することが望ましい。

(4)自治体や保険者と協力して対応する

  • 対象患者の抽出は、自治体や保険者がレセプトデータ等の分析を通じて行うことも考えられる。抽出を行ったあと、ポリファーマシー対策に繋げる方法としては「対象患者本人にポリファーマシーに関する相談を促す通知を郵送し、主治医やかかりつけ薬剤師への相談を促す」「主治医やかかりつけ薬剤師に処方情報を共有し、次回受診時に患者に必要に応じて処方変更について患者に呼び掛ける」こと等が考えられる。
  • 対象患者を抽出したあと、郵送等の手段で通知を行うだけでは対象患者の自発的な相談に繋がらない場合がある。そのため、以下に示すパターンのように患者の自発的な相談をきっかけに処方変更を行う場合は、患者や患者家族に対する普及・啓発活動もあわせて実施をする必要があることに留意する。

(5)多職種で協力して対応する

  • 多職種が集まる会議体(地域ケア個別会議等)の場で、対象患者の抽出を行うことも考えられる。抽出を行ったあと、ポリファーマシー対策に繋げる方法としてはかかりつけ医やかかりつけ薬剤師等に情報の連携を行い、ポリファーマシー対策の必要性の判断を促すこと等が考えられる。
  • このような方法でポリファーマシー対策を行う際には、地域ケア個別会議等にポリファーマシー対策に関する知識をもつ者が定期的に参加する仕組みを設けることも有効になる。
 

4.様式事例集

  • ポリファーマシー対策で使用する様式の例として、別紙の様式事例集に以下を示す。
○規程の作成
①高齢者薬物療法適正化委員会規程(国立長寿医療研究センター)
②ポリファーマシー対策チーム運営要領(国立長寿医療研究センター)
③高齢者医薬品適正使用推進委員会規程(広島市)
④ポリファーマシー対策の推進に関する連携協力協定書(広島市)
○ポリファーマシーが疑われる患者の抽出
⑤入院前情報提供書(依頼書及び返書)(三豊総合病院)
⑥持参薬評価テンプレート(東京大学医学部附属病院)
⑦持参薬評価表(国立長寿医療研究センター)
⑧訪問薬剤管理指導報告書(三豊総合病院)
⑨服薬情報提供書(東北大学病院)
⑩服薬情報提供書(富山労災病院)
○処方見直し結果の情報提供
⑪施設間情報提供書(JCHO 九州病院)
⑫薬剤管理サマリー(日本病院薬剤師会)
⑬薬剤管理サマリー(三豊総合病院)
⑭退院時のお薬について(お薬手帳を用いた情報提供の例)(JCHO 九州病院)
○処方見直し後の状況把握
⑮介入状況報告書(薬剤管理サマリー返書)(三豊総合病院)
 

第3章本書の検討体制

本書は、厚生労働省医薬局医薬安全対策課による委託事業である「高齢者の医薬品適正使用推進事業に係る実態調査及び指針と業務手順書等の見直しの検討・作成一式」(受託者:株式会社NTTデータ経営研究所)において設置された委員会における検討に基づき取りまとめたものである。本書の作成にあたっては以下の委員より多大なご協力を頂いた。
「高齢者の医薬品適正使用推進事業に係る実態調査及び指針と業務手順書等の見直し の検討・作成一式」委員会 委員一覧
◎ 秋下 雅弘 地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター
センター長
岡本 充子 社会医療法人近森会 統括看護部長
老人看護専門看護師
篠永 浩 三豊総合病院 薬剤部 副薬剤部長
橋場 元 公益社団法人 日本薬剤師会 常務理事
畑 世剛 一般社団法人 宝塚市薬剤師会 副会長
水上 勝義 公益社団法人日本精神神経学会
筑波大学 人間総合科学学術院 教授
溝神 文博 国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 薬剤部
長寿医療研修部 高齢者薬学教育研修室 室長
美原 盤 公益財団法人全日本病院協会 副会長
宮川 政昭 公益社団法人 日本医師会 常任理事
◎ 委員長
(計9名,敬称略、氏名五十音順)