第4章 患者への医薬品使用
第1章
【 医療安全の確保へ向けた視点 】
☑️ 処方箋に基づき正しい薬剤を取り揃える
☑️ 必要な情報を提供する
☑️ 必要な薬学的知見に基づく指導を行う
☑️ 医師や多職種と協働し、適切で安全な薬物療法を行う
薬剤師法第 25 条の 2 「薬剤師は、調剤した薬剤の適正な使用のため、販売又は授与の目的で調剤したときは、患者又は現にその看護に当たっている者に対し、必要な情報を提供し、及び必要な薬学的知見に基づく指導を行わなければならない。」
【 手順書を定めることが望ましい事項 】
1. 患者情報の収集・管理・活用
2. 調剤
3. 調剤薬の交付・情報提供及び必要な薬学的知見に基づく服薬指導
4. 調剤済み処方箋への記載事項
5. 調剤録への記載事項
6. 薬剤交付後の継続的な患者状況の把握
【 細目】
【 根拠法令 】
薬剤師法 第二十三条(処方せんによる調剤)
(処方せんによる調剤)
第二十三条 薬剤師は、医師、歯科医師又は獣医師の処方せんによらなければ、販売又は授与の目的で調剤してはならない。
2 薬剤師は、処方せんに記載された医薬品につき、その処方せんを交付した医師、歯科医師又は獣医師の同意を得た場合を除くほか、これを変更して調剤してはならない。
薬剤師法 第二十四条(処方せん中の疑義)
(処方せん中の疑義)
第二十四条 薬剤師は、処方せん中に疑わしい点があるときは、その処方せんを交付した医師、歯科医師又は獣医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ、これによつて調剤してはならない。
薬剤師法 第二十五条(調剤された薬剤の表示)
(調剤された薬剤の表示)
第二十五条 薬剤師は、販売又は授与の目的で調剤した薬剤の容器又は被包に、処方せんに記載された患者の氏名、用法、用量その他厚生労働省令で定める事項を記載しなければならない。
薬剤師法施行規則 第十四条(調剤された薬剤の表示)
(調剤された薬剤の表示)
第十四条 法第二十五条の規定により調剤された薬剤の容器又は被包に記載しなければならない事項は、患者の氏名、用法及び用量のほか、次のとおりとする。
一 調剤年月日
二 調剤した薬剤師の氏名
三 調剤した薬局又は病院若しくは診療所若しくは飼育動物診療施設(獣医療法(平成四年法律第四十六号)第二条第二号に規定する診療施設をいい、往診のみによつて獣医師に飼育動物の診療業務を行わせる者を含む。以下同じ。)の名称及び所在地(往診のみによつて獣医師に飼育動物の診療業務を行わせる者のうち、法人以外の者にあつては、その氏名及び住所とする。以下同じ。)
薬剤師法 第二十五条の二(情報の提供及び指導)
(情報の提供及び指導)
第二十五条の二 薬剤師は、調剤した薬剤の適正な使用のため、販売又は授与の目的で調剤したときは、患者又は現にその看護に当たつている者に対し、必要な情報を提供し、及び必要な薬学的知見に基づく指導を行わなければならない。
2 薬剤師は、前項に定める場合のほか、調剤した薬剤の適正な使用のため必要があると認める場合には、患者の当該薬剤の使用の状況を継続的かつ的確に把握するとともに、患者又は現にその看護に当たつている者に対し、必要な情報を提供し、及び必要な薬学的知見に基づく指導を行わなければならない。
薬剤師法 第二十六条(処方せんへの記入等)
(処方せんへの記入等)
第二十六条 薬剤師は、調剤したときは、その処方せんに、調剤済みの旨(その調剤によつて、当該処方せんが調剤済みとならなかつたときは、調剤量)、調剤年月日その他厚生労働省令で定める事項を記入し、かつ、記名押印し、又は署名しなければならない。
薬剤師法施行規則 第十五条(処方箋の記入事項)
(処方箋の記入事項)
第十五条 法第二十六条の規定により処方箋に記入しなければならない事項は、調剤済みの旨又は調剤量及び調剤年月日のほか、次のとおりとする。
一 調剤した薬局又は病院若しくは診療所若しくは飼育動物診療施設の名称及び所在地
二 法第二十三条第二項の規定により医師、歯科医師又は獣医師の同意を得て処方箋に記載された医薬品を変更して調剤した場合には、その変更の内容
三 法第二十四条の規定により医師、歯科医師又は獣医師に疑わしい点を確かめた場合には、その回答の内容
薬剤師法 第二十七条(処方せんの保存)
(処方せんの保存)
第二十七条 薬局開設者は、当該薬局で調剤済みとなつた処方せんを、調剤済みとなつた日から三年間、保存しなければならない。
薬剤師法 第二十八条(調剤録)
(調剤録)
第二十八条 薬局開設者は、薬局に調剤録を備えなければならない。
2 薬剤師は、薬局で調剤したときは、厚生労働省令で定めるところにより、調剤録に厚生労働省令で定める事項を記入しなければならない。
3 薬局開設者は、第一項の調剤録を、最終の記入の日から三年間、保存しなければならない。
薬剤師法施行規則 第十六条(調剤録の記入事項)
(調剤録の記入事項)
第十六条 法第二十八条第二項の規定により調剤録に記入しなければならない事項は、次のとおりとする。ただし、その調剤により当該処方箋が調剤済みとなつた場合は、第一号、第三号、第五号及び第六号に掲げる事項のみ記入することで足りる。
一 患者の氏名及び年令
二 薬名及び分量
三 調剤並びに情報の提供及び指導を行つた年月日
四 調剤量
五 調剤並びに情報の提供及び指導を行つた薬剤師の氏名
六 情報の提供及び指導の内容の要点
七 処方箋の発行年月日
八 処方箋を交付した医師、歯科医師又は獣医師の氏名
九 前号の者の住所又は勤務する病院若しくは診療所若しくは飼育動物診療施設の名称及び所在地
十 前条第二号及び第三号に掲げる事項
薬剤師法施行規則 第十三条の二(居宅等において行うことのできる調剤の業務)
(居宅等において行うことのできる調剤の業務)
第十三条の二 法第二十二条に規定する厚生労働省令で定める調剤の業務は、次に掲げるものとする。
一 薬剤師が、処方箋中に疑わしい点があるかどうかを確認する業務及び処方箋中に疑わしい点があるときは、その処方箋を交付した医師又は歯科医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめる業務
二 薬剤師が、処方箋を交付した医師又は歯科医師の同意を得て、当該処方箋に記載された医薬品の数量を減らして調剤する業務(調剤された薬剤の全部若しくは一部が不潔になり、若しくは変質若しくは変敗するおそれ、調剤された薬剤に異物が混入し、若しくは付着するおそれ又は調剤された薬剤が病原微生物その他疾病の原因となるものに汚染されるおそれがない場合に限る。)
【 参考 】
日本薬剤師会:「薬剤師会・薬局のための偽造処方せん対策マニュアル」、2010年